2020年は、大阪万博開催から50年の節目の年です。これを記念して当館では、万博当時のパビリオン「日本民藝館」の展示を全館挙げて再現します。「民芸ブーム」の時代と振り返られる1970年代、最先端を追い求めた大阪万博に出展されたパビリオン「日本民藝館」には、どんなメッセージが託されたのでしょうか。
50年後の今、パビリオン「日本民藝館」を振り返りその熱量を体感することは、民芸の現代的意義を再考する上で一つの材料となる筈です。本展覧会は、1970年当時の再現展示を通して、今現在における民芸が持つ意義について改めて問い直すと共に、民芸運動の50年の軌跡を、当館の代表的な収蔵品から紹介します。
第一展示室「民藝の原点―日本民藝館の収蔵品から―」では、日本民藝館が収蔵する柳宗悦のコレクション約230点を展示します。東北から九州まで日本各地の多彩な陶磁器や、沖縄の紅型、東北の刺子といった染織品、あるいは木漆工、金工品、絵画などの様々な分野の諸工芸品。
または、「木喰五行上人 不動明王像」や民芸運動の出発を宣言した『日本民藝美術館設立趣意書』の表紙を飾った古伊万里の蕎麦猪口など、民芸運動の記念碑的な作品を多数展示します。本展は日本民藝館のコレクションより、選りすぐりの優品をご覧いただける貴重な機会です。民藝運動が見出した美の原点とも言うべき作品を、ぜひお楽しみください。
※会期変更となりました。
※来館前には必ず公式サイトをご確認ください。