髙島野十郎は、「蝋燭」や「月」などを独特の写実的筆致で描く福岡県久留米市出身の洋画家です。没後50年の節目に開催する本展は、代表作はもちろんのこと、初公開も含めた約150点を展示する過去最大規模の回顧展です。「孤高の画家」と呼ばれてきた彼の芸術が形成されたルーツを遡り、生涯、野十郎が自身のよりどころとしてきた仏教的思想を読み解きつつ、青年期や滞欧期の作品など、従来の展覧会ではそれほど大きく取り上げられることがなかった部分にも焦点を当て、その芸術の真髄に迫ります。さらには、野十郎の画業や芸術観の背景にあるものや彼が生きた時代の動きを探ることを通して、美術史のなかに野十郎の画業を位置付けることもめざします。
(公式サイトより)