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龍谷ミュージアム

>復元されたベゼクリク石窟大回廊の「誓願図(せいがんず)」
20世紀初頭にシルクロードで大きな成果をあげた大谷探検隊のコレクションをはじめ、多くの文化財を保有する龍谷大学。身近にありながら難しく思われがちな仏教の世界を分かりやすく伝える「龍谷ミュージアム」が、世界遺産・西本願寺の正面に開館しました。
堀川通側の外壁にはセラミックルーバーによる簾(すだれ)。周辺に配慮した京都らしいデザインです。
展示室は2階が「アジアの仏教」、3階は「日本の仏教」。
ベゼクリク石窟大回廊の復元展示は、2階。中に入ると、密度の濃さに圧倒されます。
取材時には、西本願寺で新たに確認された春日局や吉良家の書状も展示されていました。西本願寺には膨大な史料があるので、今後も貴重な発見が期待できそうです。
敷地内は東西に貫くように路地が設けられており、通り抜けることができます。自然光あふれる中庭には、色付いた紅葉も。
ミュージアムカフェ・ショップは1階。クリアファイル(420円)、ひとふで箋(399円)、トートバッグ(945円)などオリジナルグッズも多数。併設されているカフェでは、特製の龍谷ブレンドコーヒー(400円)が人気です。
日本初の「仏教総合博物館」

近年は仏像や仏画の企画展もよく開かれ、仏教系の展示は珍しくないように思いますが、「実は仏教を総合的に紹介する博物館はどこにもなかったんです」と、龍谷ミュージアムの入澤副館長は言います。

「インドで生まれた仏教はアジアに広がり、遠い日本まで伝わりましたが、今までの仏教の展示は地域が偏っていたり特定の宗派だったりと、対象が限定的でした。龍谷ミュージアムは仏教の壮大な流れを通覧する、初めての博物館なのです」

ミュージアムは親鸞の750回忌にあたる2011年に開館しました。平常展は2階で「アジアの仏教」、3階で「日本の仏教」を紹介。ハイビジョンの4倍の解像度を持つ4Kシアターをはじめ、仏教の世界を分かりやすく体感できるように考えられています。

シルクロード最高の仏教美術を復元

体感展示の大きな目玉は、ベゼクリク石窟大回廊の復元展示です。中国・新疆ウイグル自治区トルファンのベゼクリク石窟で約1000年前に描かれた仏教壁画を、原寸大で再現しました。

今はすっかり荒れ果てている石窟ですが、龍谷大学はNHKと共同で世界中に散逸した史料を調査。中央アジア仏教文明の最高峰ともいえる壁画のデジタル復元に成功しました。

細い回廊に甦ったのは、過去仏(過去の仏)を中心に、前生の釈迦などを描いた「誓願図(せいがんず)」です。商人は当時のシルクロードを渡り歩いたソグド人の風貌、天井には奈良時代に日本でも流行した模様。1000年前にウイグルの王も歩いた極彩色の回廊を実感できる、劇的な展示空間が完成しました。

ミュージアムで新たな学びを

ミュージアムの開設にあたり、入澤副館長は特に若い人たちの来館を期待しています。「ネットで何でも見られる時代でしょうか。学生の中にも、ミュージアムに来た体験がほとんど無い人もいます」と言います。

「実物が持つ力は特別です。1世紀のガンダーラ仏像は、教科書に載っていても実物を見た人は少ないでしょう。若い人は、本物から強い印象を受けます。興味がなかったものにも目を光らせ、自ら背景を調べ始める学生もいます。ミュージアムは、教育にとって最も大切な‘学びの気持ちを湧き立たせる’ことができる場所のようです」

入澤副館長はツイッターも使って積極的に館をPRし、ファンから多くの声が寄せられています。今後も年に2回の特別展と平常展を交互に開催し、何度来館しても楽しんでもらえるような企画を進めて行く予定です。(取材:2012年12月10日 写真・文:インターネットミュージアム)

「文化財の破壊は無知によって引き起こされます。20世紀初頭トルファン周辺では、壁画の顔料が農作業の肥料になると信じられ、その結果、壁画が次々と破壊されていったのです」
龍谷ミュージアムの
入澤崇 副館長

立地は世界文化遺産・西本願寺の正面。
 

2階の平常展「アジアの仏教」。シンプルな意匠の展示室は、可変的な展示が可能です。
3階のミュージアムシアターは、ハイビジョンの4倍の解像度を持つ4Kシアター。上映後には窓の外に西本願寺が見えます。

龍谷ミュージアムの入澤副館長からのメッセージ

館名龍谷ミュージアム
所在地 京都市下京区堀川通正面下る(西本願寺前)
TEL : 075-351-2500
HP : http://museum.ryukoku.ac.jp/
開館時間10:00~17:00(最終入館は閉館30分前まで)
入館料一般 500円/シニア 400円/大学生 400円/高校生 300円
※特別展・企画展はその都度料金を定めます
休館日毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、その他ミュージアムの定める日

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