インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
【注意】新型コロナウィルス感染防止にともない、展覧会・イベントは中止になる場合があります。必ず公式サイトでご確認ください。[休館情報はこちら]
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  金銀の系譜 ~宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界~

金銀の系譜 ~宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界~

■蘇った逸品+館が誇る至宝
【会期終了】 1年半に及ぶ休館を経てリニューアルオープンした静嘉堂文庫美術館。再開後初の展覧会は、金銀を多用した豪華な作品を紹介する企画です。2015年11月25日(水)からは後期展示に入りました。
「描かれた風景 ~絵の中を旅する~」展の後、長い休みに入っていた静嘉堂文庫美術館。リスタートは「金銀」をテーマに、宗達・光琳・抱一と受け継がれた琳派の系譜を中心に紹介する企画です。

本展では修理されていた逸品2点のお披露目が注目。ひとつ目は俵屋宗達による国宝《源氏物語関屋・澪標図屏風》です。

宗達の国宝3点のうちのひとつで(他は《風神雷神図》と《蓮池水禽図》)、右隻が関屋、左隻が澪標。ともに源氏がかつて縁を結んだ女性と偶然再会する場面ですが、源氏をはじめ主要人物は描かれていません。

近年の研究で1631年で京都・醍醐寺三宝院に納められた事が指摘されたたため、不明な点が多い宗達の基準作としても注目されています。

以前は絵具の剥落、画面の亀裂など傷みが目立っていましたが、3年かけて慎重に修理。約400年前の作品は、こうして次代に引き継がれていきます。


展示室の奥が、国宝 俵屋宗達《源氏物語関屋・澪標図屏風》

修理後初お披露目のもうひとつは、尾形光琳による重要文化財《住之江蒔絵硯箱》。光琳が私淑する本阿弥光悦の硯箱を模して作ったもので、こちらは後期から展示がはじまりました。手本になったのは、東京国立博物館が所蔵する国宝《舟橋蒔絵硯箱》と推測されています。

波間は美しい金蒔絵。文字は銀板、黒い岩は鉛板です。修理では劣化した鉛の錆を落とすと同時に、腐食防止の処理が行われました。

ちなみに処理も現代の薬品を用いるのではなく、「煙硝三分、硫黄三分、胆礬二分、塩少、酢ニテ」という光琳関係資料「小西家文書」の記載に準じて行われています。


重要文化財 尾形光琳《住之江蒔絵硯箱》

宗達から光琳へと伝わった琳派の系譜を受け継いだのが、酒井抱一です。抱一は光琳の百回忌の法要を行うとともに、光琳の作品をまとめた「光琳百図」を出版。「光琳百図」が海外に渡った事で、光琳の受容は世界的に広まりました。

目立つ銀地の屏風は、抱一による《波図屏風》。光琳の《波濤図屏風》(メトロポリタン美術館蔵)から着想したと思われ、金地に描いた光琳に対し、抱一は月光をイメージした銀地に、ダイナミックな波を表現しました。

会場には、抱一の自筆句稿である《軽挙館句藻》も展示されており、光琳の後継者である事を意識した句などが記されています。


酒井抱一の作品

リニューアルを記念した展覧会という事もあって、静嘉堂文庫美術館が誇る至宝、国宝《曜変天目(稲葉天目)》もお目見えしています。

いつもは展示室内で出る事が多い曜変天目ですが、今回はラウンジでの展示。静嘉堂文庫美術館のラウンジは眺望が良いため、空気が澄んでいるこの時期は、眼前に瑠璃色の曜変天目、遠景に雪化粧の富士山という、超贅沢なひとときを楽しめるかもしれません。天気が良い日の午前中が狙い目です。

また自然光で見る曜変天目は、いつもと違う表情を見せます。展示照明の下では青味が強く感じられますが、西日に照らされるとピンク色の輝きも見えるとの事。こちらを狙うなら、午後の来館がお勧めです。


国宝《曜変天目(稲葉天目)》も展示

本展の後は、15年ぶりの多数公開となる煎茶器と、茶道具をあわせて展示する「茶の湯の美、煎茶の美」(1/23~3/21)、運慶作と推測される《木造十二神将立像》のうち修理を追えた4駆を披露する「よみがえる仏の美~修理完成披露によせて~」(4/23~6/5)と、注目展が続く静嘉堂文庫美術館。随時このコーナーでもご紹介したいと思います。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2015年11月27日 ]

TOKYO美術館2015-2016TOKYO美術館2015-2016

 

エイ出版社
¥ 999

 
会場静嘉堂文庫美術館
開催期間2015年10月31日(土)~12月23日(水・祝)
所在地 東京都世田谷区岡本2-23-1
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://www.seikado.or.jp/
展覧会詳細へ 金銀の系譜 ~宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界~ 詳細情報
新型コロナウイルス特集 with corona after corona
新型コロナウイルス特集 美術館・博物館・ミュージアムの休館・再開情報(毎日更新)
新型コロナウイルス特集 開幕延期・中止になった展覧会 会場レポート
新型コロナウイルス特集 会期が変更された2020年注目の展覧会
新型コロナウイルス特集 再開したミュージアムで始まった展覧会
取材レポート
岡田美術館「生誕260年記念 北斎の肉筆画
北斎の肉筆画
泰巖歴史美術館がオープン'
泰巖歴史美術館
国立新美術館「古典×現代2020」'
古典×現代2020
東京国立近代美術館「ピーター・ドイグ」'
ピーター・ドイグ
太田記念美術館「月岡芳年
月岡芳年
国立西洋美術館「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」'
ロンドンナショナル
足立美術館に「魯山人館」がオープン'
魯山人館オープン
クラシックホテル展
クラシックホテル
アソビル「バンクシー展
バンクシー
三菱一号館美術館「画家が見たこども」'
画家が見たこども
エリアレポート 東京国立近代美術館「ピーター・ドイグ展」
[エリアレポート]
ピーター・ドイグ
エリアレポート 茨城県陶芸美術館「幻の横浜焼・東京焼」
[エリアレポート]
幻の横浜焼・東京焼
エリアレポート 小泉八雲記念館「ハーンを慕った二人のアメリカ人」
[エリアレポート]
小泉八雲
エリアレポート 京都市京セラ美術館がオープン
[エリアレポート]
京セラ美術館
エリアレポート 細見美術館「飄々表具 ー 杉本博司の表具表現世界 ー」
[エリアレポート]
飄々表具 杉本博司
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ハマスホイとデンマーク絵画 写真展「138億光年 宇宙の旅」 みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ ー 線の魔術 ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
NHK大河ドラマ特別展「麒麟(きりん)がくる」 ランス絵画の精華 特別展『ねないこだれだ』誕生50周年記念 「せなけいこ展」 特別展 ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「鼠」
グランプリは《大根喰う(大黒)》でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2020 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青社グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社