インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ

「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ

■2000人の賑わい
【会期終了】 出光美術館が所蔵する《江戸名所図屏風》。「明暦の大火」以前の江戸の姿を今に伝える貴重な作品で、2015年に重要文化財の指定を受けました。2,000人以上の人々を生き生きと描いた《江戸名所図屏風》を中心に、都市を描いた絵画を紹介する展覧会が、出光美術館で開催中です。
古くは地方の一都市に過ぎなかった江戸。家康が天下を取ると町は急速に発展し、世界有数の大都市になりました。

《江戸名所図屏風》は、草創期の江戸の様子を描いた作品です。じっくり見ていただくため、屏風を開ききった状態で、ケースのガラス面に寄せて展示。できるだけ近くで鑑賞できるようにという、嬉しい配慮です。

屏風は八曲一双という珍しいスタイル(二曲や六曲が一般的)。背が低い事もあって、全体のフォルムは極端な横長で、まるで絵巻のように感じられます。

《江戸名所図屏風》に描かれているのは、右隻の上野・浅草から、左隻の品川まで。方位は「右が北、左が南」になるので、現在の地図(上が北)と異なりますが、江戸を描いた地図は「右が北、左が南」も数多く見られます。

制作年は確定できませんが、寛永20年(1643)年に完成した浅草の三十三間堂が描かれている事から、それ以降に描かれた事は確実。発注者も分かっていませんが、左隻第1扇の向井将監邸や近くの舟遊びに具体的な紋が描かれている事から、向井家の関与が推測されます。

描かれた人々の姿は、とても賑やか。所作も生き生きとしており、どの場面を切り取っても話し声が聞こえてきそうなほど、臨場感に溢れています。


重要文化財《江戸名所図屏風》

《江戸名所図屏風》は新興都市の江戸を描いた作品ですが、その先例といえるのが、京を描いた「洛中洛外図」。「洛中洛外図」は現存するだけで100件以上ある事から、極めて人気の高い画題だった事がわかります。

町全体を描いた「都市図」の系譜は、時代が下ると徐々に局地化し、特定の場所が描かれるようになります。中でも数多く描かれたのが、遊里と芝居町などの歓楽地。確かに《江戸名所図屏風》でも、木挽町の芝居小屋は目立ちます。

浮世絵にも都市生活の場面が登場します。風景画に美人画を加えた例、逆に、美人画の背景に名所を描いた例と、先例を踏まえつつ、絵師たちはそれぞれの世界を作っていきました。


会場

とにかく見どころが多い《江戸名所図屏風》。細部まで楽しみたい方は、単眼鏡があればベターです(ミュージアムショップでも売っています)。

そして、図録もおすすめ。《江戸名所図屏風》は、左右それぞれ3段×16列、計96分割の拡大図が掲載されています。これだけ拡大されていれば、かなり細かいところまで堪能できます。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年7月31日 ]


 
会場出光美術館
開催期間2018年7月28日(土)~9月9日(日)
所在地 東京都千代田区丸の内3-1-1帝劇ビル9F
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://idemitsu-museum.or.jp/
展覧会詳細へ 「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ 詳細情報
取材レポート
サントリー美術館「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-」
京都・醍醐寺
京都国立博物館「特別展「京のかたな 匠のわざと雅のこころ」」
京のかたな
東京国立博物館「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」
京都 大報恩寺
三井記念美術館「特別展「仏像の姿」~ 微笑む・飾る・踊る~」
「仏像の姿」
東洋文庫ミュージアム「企画展「大♡地図展」」
大♡地図展
岡田美術館「開館5周年記念展 美のスターたち ―光琳・若冲・北斎・汝窯など名品勢ぞろい―」
美のスターたち
川崎市市民ミュージアム「連載50周年記念特別展「さいとう・たかを ゴルゴ13」用件を聞こうか……」
「ゴルゴ13」展
上野の森美術館「フェルメール展」
フェルメール展
東京ステーションギャラリー「横山華山」
横山華山
東京国立博物館「マルセル・デュシャンと日本美術」
M・デュシャン
千葉市美術館「1968年 激動の時代の芸術」
1968年
太田記念美術館「没後160年記念 歌川広重」
歌川広重
東京国立近代美術館工芸館「日本・スウェーデン外交関係樹立150周年 インゲヤード・ローマン展」
インゲヤード展
「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」が開館
森ビル×チームラボ
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」がリニューアルオープン
岐阜かかみがはら
航空宇宙博物館
大阪市立美術館「ルーヴル美術館展 肖像芸術 ――人は人をどう表現してきたか」
[エリアレポート]
ルーヴル美術館展
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館「カール・ラーション スウェーデンの暮らしを芸術に変えた画家」
[エリアレポート]
カール・ラーション
パナソニック 汐留ミュージアム「開館15周年 ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ」
[エリアレポート]
ジョルジュ・ルオー
国立新美術館「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」
[エリアレポート]
ピエール・ボナール
「ポーラ美術館「ルドン ひらかれた夢 ―幻想の世紀末から現代へ」」
[エリアレポート]
ルドンひらかれた夢
「ヴァンジ彫刻庭園美術館「須田悦弘 ミテクレマチス」」
[エリアレポート]
須田悦弘
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2019年の展覧会予定(東京近郊・大阪近郊) 博物館・美術館の情報
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
生誕110年 東山魁夷展 フェルメール展 特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」 特別展「王立宇宙軍 オネアミスの翼展 SFアニメができるまで」
オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展 京都・醍醐寺-真言密教の宇宙- 京のかたな 匠のわざと雅のこころ 鴻池朋子「ハンターギャザラー」
博物館・美術館検索
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018、グランプリは
「雷切丸くん」 でした
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「犬」
グランプリは 《萱草遊狗図》 でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2018 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社