インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  フィリップス・コレクション展

フィリップス・コレクション展

■蒐集の歩みを追体験
【会期終了】 アメリカで近代美術を扱う最初の美術館として開館した、フィリップス・コレクション。ダンカン・フィリップス(1886-1966)が熱心に蒐集、今では米国で最も優れた私立美術館となりました。「コレクターによる蒐集活動」に着目した展覧会が、三菱一号館美術館で開催中です。
ペンシルベニア州の鉄鋼王を祖父に持つダンカン・フィリップス。大学在学中から芸術に関心を持ち、26歳で初めて絵画を購入しました。フィリップス・メモリアル・アート・ギャラリー(現フィリップス・コレクション)は1918年に創設、1921年に一般公開されました。

展覧会はフィリップス・コレクションの設立100周年を記念したもの。ダンカンの購入順に作品を紹介するという、ちょっと珍しい趣向で、近代美術を見続けたコレクターの活動を追体験します。

1章「1910年代後半から1920年代」。ダンカンが初期のコレクションで重視したのは、クールベとドーミエでした。また、ボナールは1925年の展覧会で見て以来、30年近く購入を続けています。

2章「1928年の蒐集 フィリップスの嗜好形成」。この年はダンカンの好みが強く反映された年で、マネ《スペイン舞踏》、ボナール《棕櫚の木》、セザンヌ《自画像》などを購入。セザンヌ《自画像》は、翌年に開館したMoMAの開館記念展に出品されています。

3章「1930年代 理想の蒐集品」。キュビスムにおいて、ダンカンはピカソよりもブラックを好みました。特に1920年代のブラックの作品を評価し、立て続けに蒐集。「フランス的センスにあふれている」と評価しています。



4章「1940年前後の蒐集」。戦乱の時代でも熱心に蒐集を続け、1944年には初めてカンディンスキーを入手。1948年には美術館の名称をフィリップス・ギャラリーに変更しました。

5章「第二次大戦後」。ダンカンの蒐集は、自らの意思が最優先。そのため、画家の特徴的な画題には、必ずしもこだわりません。例えば、ゴーガンの《ハム》を1951年に入手する一方で、タヒチ時代のゴーガン作品は手放しています。

6章「ドライヤー・コレクションの受け入れと晩年の蒐集」。蒐集家のキャサリン・ドライヤーと知り合ったのは1941年。ドライヤーの死後、遺品の寄贈を受けました。ただし、受け入れたのは、カンディンスキーやマルクなど17点のみ。なんとブランクーシの彫刻は拒否しています。

最後は7章「ダンカン・フィリップスの意志」。講演や評論も行うなど、モダン・アートの普及に努めたダンカン。1961年には美術館の名称が現在のフィリップス・コレクションになりました。最終章に展示されているドガとロダンは、ダンカンが没した後にコレクションに加わったものです。

私邸を美術館として公開したダンカン・フィリップス。小さな部屋が連続する三菱一号館美術館での展覧会は、ダンカンが目指したスタイルに近いかたちといえます。ひとつひとつの作品とじっくりと対話するようにお楽しみください。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年10月16日 ]

カフェのある美術館 素敵な時間をたのしむカフェのある美術館 素敵な時間をたのしむ

青い日記帳(監修)

世界文化社
¥ 1,728

料金一般当日:1,700円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

 
会場三菱一号館美術館
開催期間2018年10月17日(水)~2019年2月11日(月・祝)
所在地 東京都千代田区丸の内2-6-2
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://mimt.jp/
展覧会詳細へ フィリップス・コレクション展 詳細情報
取材レポート
府中市美術館「青木野枝 霧と鉄と山と」'
青木野枝
東京国立博物館「出雲と大和」'
出雲と大和
弥生美術館「もうひとつの歌川派?! 国芳・芳年・年英・英朋・朋世」'
もうひとつの歌川派
東京都現代美術館「ミナ
皆川明
明治神宮ミュージアム「天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展」'
明治神宮M. 開館
渋谷区立松濤美術館「パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華 サラ・ベルナールの世界展」'
サラベルナール
東京都江戸東京博物館「特別展「大浮世絵展
大浮世絵
三井記念美術館「国宝
明治天皇への献茶
東京ステーションギャラリー「坂田一男
坂田一男
出光美術館
やきもの入門
東京国立近代美術館「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」'
窓展
岡田美術館「DOKI土器!土偶に青銅器展
DOKI土器!
東京富士美術館「フランス絵画の精華」
フランス絵画の精華
三菱一号館美術館「印象派からその先へ ― 世界に誇る吉野石膏コレクション展」
印象派からその先へ
神奈川県立近代美術館
ふたたびの「近代」
国立新美術館「ブダペスト
ブダペスト
東京国立博物館
人、神、自然
根津美術館「〈対〉で見る絵画」'
〈対〉で見る絵画
エリアレポート 京都国立近代美術館「記憶と空間の造形 イタリア現代陶芸の巨匠 ニーノ・カルーソ」
[エリアレポート]
ニーノ・カルーソ
エリアレポート 名古屋市美術館「没後90年記念 岸田劉生展」
[エリアレポート]
岸田劉生
エリアレポート 愛知県美術館「コートールド美術館展 魅惑の印象派」
[エリアレポート]
コートールド
エリアレポート 大阪市立東洋陶磁美術館「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション」
[エリアレポート]
竹工芸名品展
エリアレポート 中之島香雪美術館 「上方界隈、絵師済々 Ⅰ」
[エリアレポート]
上方界隈、絵師済々
エリアレポート パナソニック汐留美術館 「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」
[エリアレポート]
暮らしの夢
エリアレポート 岐阜県現代陶芸美術館「小村雪岱スタイル 江戸の粋から東京モダンヘ」
[エリアレポート]
小村雪岱
エリアレポート 三鷹市美術ギャラリー「壁に世界をみる ― 吉田穂高展」
[エリアレポート]
吉田穂高
エリアレポート 豊田市美術館「岡﨑乾二郎 ー 視覚のカイソウ」
[エリアレポート]
岡﨑乾二郎
エリアレポート 国立西洋美術館「ハプスブルク展 ー 600年にわたる帝国コレクションの歴史」
[エリアレポート]
ハプスブルク
エリアレポート 半蔵門ミュージアム 「復元された古代の音」
[エリアレポート]
古代の音
エリアレポート 小泉八雲記念館「ハーンを慕った二人のアメリカ人」
[エリアレポート]
小泉八雲
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 ゴッホ展 特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて デザインあ展 in SHIGA
天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展 千手千足観音立像 高月町西野 正妙寺 特別展 「大浮世絵展 ー 歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演 ー」 利休のかたち 継承されるデザインと心
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「鼠」
グランプリは《大根喰う(大黒)》でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2020 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社