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【山種美術館 広尾開館10周年記念特別展】生誕125年記念 速水御舟

■御舟の作品、全点展示は10年ぶりです
近代日本画のコレクションで知られる山種美術館。創立者・山﨑種二(1893-1983)が愛した画家、速水御舟(1894-1935)の収蔵作品は120点に及びます。「御舟美術館」としても親しまれている同館で、御舟生誕125年を記念する展覧会が開催中です。
速水御舟は1894年に、東京・浅草で生まれました。本名は蒔田栄一で、のちに母方の祖母・速水キクの養子となり、速水に改姓します。雅号「御舟」は、俵屋宗達の《源氏物語関屋澪標屏風》(静嘉堂文庫美術館蔵)に由来し、自らつけたものです。

1908年に松本楓子(1840-1923)の安雅堂画塾に入門した御舟。1932年9月の「美術評論 院展号」では、「楓子先生という方は、大変自由な、放任主義でしてね、何も言わないんですな、ただむやみに模写をやらせるんですな」と、師について語っています。

模写で学んだ伝統的な技法は、以後、御舟の制作の基礎となります。御舟は、初期の南画風の作風から、細密描写、象徴的作風、写実と装飾を融合した画風へと次々と変化させ、画壇に新しい風を常に送り込んでいました。


会場風景・《炎舞》(重要文化財)大正14年 山種美術館所蔵

山種美術館創立者・山﨑種二は御舟と同年代ですが、御舟が腸チフスにより40歳で早世したため、直接交流することが叶いませんでした。しかし、種二はその芸術を愛し、機会があるごとに御舟作品を蒐集しました。

1976年には安宅コレクションから御舟作品が一括購入。すでに所蔵していた作品もあわせて計120点の御舟作品を所蔵する山種美術館は、以降「御舟美術館」として親しまれています。

本展では、山種美術館が所有する全ての御舟作品を、前期(6/8-7/7)と後期(7/9-8/4)に分けて展示。すべて公開されるのは、山種美術館が現在の渋谷区広尾に開館した2009年以来、10年ぶりです。

京都・昆陽山地蔵院(俗称・椿寺)の五色散り椿を描いた《名樹散椿》(重要文化財)。背景の金地は金箔でも金泥でもなく、「撒きつぶし」という技法によるもの。金砂子を何度も撒いて整えたため、光沢が抑えられています。

展示室入口左側の小部屋で紹介される《炎舞》(重要文化財)。暗がりの部屋にライトアップされて浮かんだ炎が印象的です。《炎舞》は、1925年の夏に御舟が軽井沢に滞在した時に描かれた作品。毎晩のように焚き火をし、群がる蛾を観察したといいます。

御舟の2つの重要文化財、《炎舞》と《名樹散椿》(前期展示)が同時公開されるのは、2016年の「速水御舟展」以来、3年ぶりです。お見逃しなく。

[ 取材・撮影・文:静居絵里菜 / 2019年6月10日 ]

フランス人がときめいた日本の美術館フランス人がときめいた日本の美術館

ソフィー・リチャード(著),山本 やよい(翻訳)

集英社インターナショナル
¥ 2,376

 
会場山種美術館
開催期間2019年6月8日(土)~8月4日(日)
所在地 東京都渋谷区広尾3-12-36
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://www.yamatane-museum.jp/
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