インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
【注意】新型コロナウィルス感染防止にともない、展覧会・イベントは中止になる場合があります。必ず公式サイトでご確認ください。[休館情報はこちら]
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  銅版画家 清原啓子の宇宙

銅版画家 清原啓子の宇宙

■「美は 選ばれた者の内にしか 在りえない」(清原啓子)
【会期終了】 多摩美術大学で指導した深澤幸雄が「清麗な幻想が、驚くべき確かな技術で表現されていた」と称賛した清原啓子(1955-87)。大きな注目を集めた矢先に31歳で急逝した天才銅版画家の全作品が、八王子市夢美術館で紹介されています。
八王子で生まれ育った清原啓子。高校卒業後、美学校を経て多摩美術大学に進学、深澤幸雄に師事し銅版画を学びました。

清原が銅版画の道を選んだ70年代は、コンセプチュアル・アートなど前衛芸術の全盛期。「絵画は死んだ」と言われる時代にあって、清原は抗うように「ニードル(銅版画を作るための針状の道具)一本で、万余の点を打ち、万余の線を引き続け」(深澤幸雄による清原評)、幻想的な作品に打ち込みました。

故郷である八王子市夢美術館は、2004年に清原の作品を収蔵。本展は書籍「銅版画家 清原啓子作品集」の出版を記念して企画されたもので、収蔵品以外の作品も展示し、未完の作品を含む全銅版画が紹介されています。


会場入口から

その作品は、胸に迫ってくる圧倒的な密度。まるで夢の中のような幻視的なイメージを、驚くべき丹念さで原版に刻み込んでいきます。

動画でご紹介する《孤島》は、最後の作品と考えられる一点。清原は一度作品を仕上げて展覧会で発表した後でも版に手を加えることがあり、この《孤島》も発表から何度も修正が施されています。

《孤島》は銅板原版も展示。繊細な作業の痕跡も見る事ができます。


清原啓子《孤島》

清原は版画を制作する際に、かなり精密な素描の下絵を描いています。

展覧会では所在が確認できた全ての素描を紹介。比較できるように、素描と銅版画が並べて展示されています。


素描と銅版画を並べて展示

その作風からもイメージされるように、清原は幻視的・神秘的な文学者、思想家を好んでいました。

彼女が名を挙げた作家は久生十蘭、夢野久作、埴谷雄高、海外ではボードレール、ニーチェ、バシュラールら。画家たちもカロ、メリヨン、ブレダン、ボッシュ、モロー、ルドン、そして若冲などを敬愛していました。

会場では清原が使っていた道具類とともに、書棚も紹介。書架にはその志向が伺える書物が並びます。


ポートレートから、書棚まで

清原は1982年に日本版画協会賞を受賞。翌年開催した初個展は大きな賞賛を集め、新作を含んだ1987年7月の個展ではさらに注目を集めましたが、その月の25日に心不全で急逝。まだ31歳の若さでした。

清原が版画家としての活動期間は学生時代を含めても10年にも足らず、生涯に30点の作品しか残していませんが、繊細かつ濃密な作品は根強い人気があります。今回は創作の全容を一望できる好機ですが、会期は僅か2週間です(月曜日は休館)。お見逃しなく。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年11月30日 ]

銅版画家 清原啓子作品集

八王子市夢美術館 (監修)

阿部出版
¥ 3,240

ISBN978-4-87242-427-0
2014年11月発行

 
会場八王子市夢美術館
開催期間2014年11月30日(日)~12月14日(日)
所在地 東京都八王子市八日町8-1 ビュータワー八王子2F
TEL : 042-621-6777
HP : http://www.yumebi.com/
展覧会詳細へ 銅版画家 清原啓子の宇宙 詳細情報
新型コロナウイルス特集 with corona after corona
新型コロナウイルス特集 美術館・博物館・ミュージアムの休館・再開情報(毎日更新)
新型コロナウイルス特集 開幕延期・中止になった展覧会 会場レポート
新型コロナウイルス特集 会期が変更された2020年注目の展覧会
新型コロナウイルス特集 再開したミュージアムで始まった展覧会
取材レポート
泰巖歴史美術館がオープン'
泰巖歴史美術館
エリアレポート 豊田市美術館「久門 剛史 - らせんの練習」
[エリアレポート]
久門剛史展
東京ステーションギャラリー「神田日勝
神田日勝
東京国立近代美術館「ピーター・ドイグ」'
ピーター・ドイグ
国立西洋美術館「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」'
ロンドンナショナル
エリアレポート 大阪市立美術館「フランス絵画の精華」
[エリアレポート]
フランス絵画の精華
エリアレポート 茨城県陶芸美術館「幻の横浜焼・東京焼」
[エリアレポート]
幻の横浜焼・東京焼
エリアレポート 京都市京セラ美術館がオープン
[エリアレポート]
京セラ美術館
エリアレポート 渋谷区立松濤美術館「真珠 ― 海からの贈りもの」
[エリアレポート]
真珠
足立美術館に「魯山人館」がオープン'
魯山人館オープン
クラシックホテル展
クラシックホテル
アソビル「バンクシー展
バンクシー
岡田美術館「生誕260年記念 北斎の肉筆画
北斎の肉筆画
三菱一号館美術館「画家が見たこども」'
画家が見たこども
エリアレポート 市原湖畔美術館「雲巻雲舒 ― 現代中国美術展・紙」
[エリアレポート]
雲巻雲舒
エリアレポート 東京国立近代美術館「ピーター・ドイグ展」
[エリアレポート]
ピーター・ドイグ
エリアレポート 細見美術館「飄々表具 ー 杉本博司の表具表現世界 ー」
[エリアレポート]
飄々表具 杉本博司
エリアレポート ふじのくに地球環境史ミュージアム「消えゆく隣人」
[エリアレポート]
消えゆく隣人
国立新美術館「古典×現代2020」'
古典×現代2020
21_21
デザイナー達の原画
エリアレポート 愛知県陶磁美術館「異才 辻晉堂の陶彫」
[エリアレポート]
辻晉堂の陶彫
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 ハマスホイとデンマーク絵画 特別展「奇才―江戸絵画の冒険者たち―」 フランス絵画の精華
写真展「138億光年 宇宙の旅」 【特別展】竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス 真珠 ― 海からの贈りもの 特集展示 大津絵と江戸の出版
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「鼠」
グランプリは《大根喰う(大黒)》でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2020 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青社グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社