インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  伝説の洋画家たち 二科100年展

伝説の洋画家たち 二科100年展

■先進性、大衆性、積極性…受け継がれる二科のDNA
【会期終了】 日展、院展と並ぶ日本三大公募展のひとつである「二科展」。今秋の開催で100回の節目を迎えます。時代を先取りした作品を紹介し、日本の美術界をリードし続けている二科100年の歩みを、4章で辿る企画展です。
二科会は1914(大正3)年の結成。文展洋画部への監査に不満を抱いた一部の洋画家たちが、文展を離脱して立ち上げました。

同年開催された第1回の二科展には有馬生馬、石井伯亭、坂本繁二郎ら気鋭の洋画家が意欲作を出品。当初は審査は行われない予定でしたが、東京渡辺銀行から資金が提供されたため、急遽「二科賞」が設定。第2回展からは「樗牛賞」も設けられ、有望な若手への登竜門的な性格も帯びました。

冒頭の章には、珍しい岸田劉生の彫刻も。岸田劉生は生涯に2点しか彫刻を作っていないとされています。


第1章「草創期」

第2章「揺籃期」では、1920(大正9)年の第7回展以降が紹介されます。

活動の場を広げていった二科会。この時期には二科展に出品する外国人作家も現れ、第10回展ではフランスの現代画家作品としてマティスやピカソの作品も紹介されています。

第16回展には阿部金剛、古賀春江らが日本初の超現実主義的な作品を出展しました。東郷青児《超現実派の散歩》(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館蔵)もそのひとつで、東郷がフランス留学後の数年間だけ制作した希少な作風。東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館のシンボルマークになっています。


第2章「揺籃期」

1932(昭和7)年の第21回展に参加したのが、すでにパリ画壇の寵児となっていた藤田嗣治。藤田は翌々年には会員になり、多くの作品を出品して注目を集めました。

この時期は、戦争が美術会にも暗い影を落としていきます。画材の配給制など物理的な制約に加え、裸体画や前衛表現は禁止に。藤田や宮本三郎らは従軍画家としての活動も余儀なくされました。

《画家の像》(宮城県美術館蔵)は、松本竣介による自画像。松本が戦争や体制に対してどのような立ち位置だったのかは諸説がありますが、本作が画家の独立志向を強く現した秀作である事は言うまでもありません。


第3章「発展そして解散」

1944(昭和19)年には初めて展覧会の開催が中止に追い込まれて解散した二科会ですが、終戦後はいち早く東郷青児と高岡徳太郎が再建に着手。終戦翌年の1946(昭和21)年には、第31回展が開催されました。

東郷は再興期の二科会を牽引。前夜祭で裸の女性を乗せた神輿を担ぐパフォーマンスを実施するなど世間の注目を集め、興行的にも成功に導きました。

岡本太郎を会員に迎えた際には、前衛的な作品を集めた部屋(通称:岡本部屋)も設置。「大衆迎合」の批判を恐れない積極的な姿勢は、芸能人の作品がしばしば出品・入選する現在の二科展にも受け継がれています。


第4章「再興期」

本展の出展作は、全て二科展への出品作というのも特徴的。二科展に対する作家の熱い想いもストレートに伝わってくるようです。東京展の後は大阪(大阪市立美術館:9/12~11/1)、福岡(石橋美術館:11/7~12/27)に巡回します。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2015年7月17日 ]

東京都美術館ものがたり―ニッポン・アート史ダイジェスト東京都美術館ものがたり―ニッポン・アート史ダイジェスト

東京都美術館 (編集), 浅生 ハルミン (イラスト)

鹿島出版会
¥ 1,620

料金一般当日:1,500円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

 
会場東京都美術館 企画展示室
開催期間2015年7月18日(土)~9月6日(日)
所在地 東京都台東区上野公園8-36
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://www.nika100th.com/
展覧会詳細へ 伝説の洋画家たち 二科100年展 詳細情報
取材レポート
古代中国・オリエントの美術
細川ミラー
澄川喜一 そりとむくり'
そりとむくり
目黒区美術館「越境者たち-BEYOND
越境者たち
国立科学博物館「特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて」
特別展 ミイラ
府中市美術館「青木野枝 霧と鉄と山と」'
青木野枝
森美術館「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命
未来と芸術
東京都美術館「ハマスホイとデンマーク絵画」'
ハマスホイ
岡田美術館「DOKI土器!土偶に青銅器展
DOKI土器!
国立新美術館「ブダペスト
ブダペスト
21_21
デザイナー達の原画
明治神宮ミュージアム「天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展」'
明治神宮M. 開館
東京国立博物館「出雲と大和」'
出雲と大和
東京国立近代美術館工芸館「所蔵作品展
パッション20
東京オペラシティ
白髪一雄
弥生美術館「もうひとつの歌川派?! 国芳・芳年・年英・英朋・朋世」'
もうひとつの歌川派
クラシックホテル展
クラシックホテル
エリアレポート パナソニック汐留美術館 「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」
[エリアレポート]
モダンデザイン
エリアレポート 神奈川県立近代美術館 鎌倉別館「生誕120年・没後100年 関根正二展」
[エリアレポート]
関根正二
エリアレポート 東京都庭園美術館 「北澤美術館所蔵 ルネ・ラリック」
[エリアレポート]
ルネ・ラリック
エリアレポート 兵庫県立美術館 「ゴッホ展」
[エリアレポート]
ゴッホ
エリアレポート 東京ステーションギャラリー「奇蹟の芸術都市バルセロナ」
[エリアレポート]
バルセロナ
エリアレポート 東京国立博物館「日本書紀成立1300年 特別展『出雲と大和』」
[エリアレポート]
出雲と大和
エリアレポート 豊田市美術館「岡﨑乾二郎 ー 視覚のカイソウ」
[エリアレポート]
岡﨑乾二郎
エリアレポート Bunkamura 「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」
[エリアレポート]
ソール・ライター
エリアレポート 半蔵門ミュージアム 「復元された古代の音」
[エリアレポート]
古代の音
エリアレポート 中之島香雪美術館 「上方界隈、絵師済々 Ⅰ」
[エリアレポート]
上方界隈、絵師済々
エリアレポート 愛知県美術館「コートールド美術館展 魅惑の印象派」
[エリアレポート]
コートールド
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ゴッホ展 奇蹟の芸術都市バルセロナ 特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて 日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展 開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」 傘寿記念 デヴィ・スカルノ展 わたくしが歩んだ80年
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「鼠」
グランプリは《大根喰う(大黒)》でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2020 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社