
葛飾応為《吉原格子先之図》太田記念美術館蔵
葛飾北斎の娘、葛飾応為(生没年不詳)の代表作として知られる《吉原格子先之図》をはじめ、太田記念美術館が所有する肉筆浮世絵を多数紹介する展覧会が、同館で始まる。
葛飾応為は、主に父である北斎の仕事を手伝っていたこともあり、残された作品は少なく、現在までに確認されているのは肉筆画十数点、版本挿絵2点のみ。
《吉原格子先之図》は遊女の姿がシルエットで描かれるなど、西洋風の陰影表現を駆使した作品。《夜桜美人図》(メナード美術館蔵)とともに、応為の代表作といえる。
《吉原格子先之図》が太田記念美術館で展示されるのは、約3年半ぶり。前回の展示は大きな反響を呼び、美術館の2階に上がる人を制限するほど多くの人で賑わった。
今回の展覧会では、あわせて菱川師宣、葛飾北斎、明治時代の小林清親など、さまざまな絵師たちによる肉筆画が競演。太田記念美術館としては珍しく、肉筆画だけでの構成となる。
「葛飾応為『吉原格子先之図』 ― 肉筆画の魅力」は太田記念美術館で2023年11月1日(水)~11月26日(日)に開催。入場料は一般 1,000円など。

太田記念美術館「葛飾応為『吉原格子先之図』 ― 肉筆画の魅力」会場

太田記念美術館「葛飾応為『吉原格子先之図』 ― 肉筆画の魅力」会場