ニュース
    “北欧のフェルメール”、12年ぶりの展覧会 ── 「ハマスホイとデンマーク絵画」展
    (掲載日時:2019年10月17日)
    “北欧のフェルメール”、12年ぶりの展覧会 ── 「ハマスホイとデンマーク絵画」展

    身近な人物の肖像画や風景画、そして静謐な室内画を描き、19世紀末デンマークを代表する画家、ヴィルヘルム・ハマスホイ(1864-1916)を紹介する展覧会が開かれる事となり、都内で記者発表が行われた。

    ハマスホイは、1900年前後の10数年間に活躍。17世紀のオランダ絵画に影響を受け、静謐な室内表現を特徴とすることから、“北欧のフェルメール”とも評されている。

    この時代はポスト印象派や象徴主義、キュビスム、表現主義など新しい美術が次々に生まれていたが、ハマスホイは独自の絵画を追及。古いアパートなどを主題に静かな絵画を描き続け、同年代の美術の中では異彩を放っていた。

    美術のメインストリームから外れている事もあって、没後は母国デンマークでも徐々に忘れられていったが、1980年代から人気が再燃。特に97-98年にオルセー美術館・グッゲンハイム美術館で開かれた展覧会が大きな反響を呼び、近年は世界的に評価が高まり続けている。

    日本でも2008年に国立西洋美術館で「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」展が開催。ほぼ無名といえる画家にも関わらず約18万人を動員し、話題となった。

    12年ぶりにハマスホイを取り上げる今回の展覧会では、19世紀デンマークの名画もあわせて紹介。印象派風の光の描写を取り入れたスケーイン派など、デンマーク絵画を本格的に日本で紹介するのは初の試みとなる。

    展示構成は「日常礼賛 ─ デンマーク絵画の黄金期」「スケーイン派と北欧の光」「19世紀末のデンマーク絵画 ─ 国際化と室内画の隆盛」「ヴィルヘルム・ハマスホイ ─ 首都の静寂のなかで」の4章。展示作品は計86点で、約4割がハマスホイの作品で構成される。

    展覧会担当は、日本では数少ないデンマーク美術の研究者である萬屋健司氏(山口県立美術館学芸員)。

    「ハマスホイとデンマーク絵画」展は、東京都美術館で2020年1月21日(火)~3月26日(木)、山口県立美術館で4月7日(火)~6月7日(日)に開催。

    東京展の観覧料は、当日券が一般1,600円など。12月3日(火)からは一般1,400円の前売りのほか、企画チケットとして「ハマスホイ プレミアムナイト」チケット(5,000円)、「ハマスホイBAG」チケット(7,000円)も同日から発売される。

    なお、前回の展覧会では‘ハンマースホイ’と表記されていたが、2009年に大阪大学が発表したデンマーク語固有名詞のカナ表記基準に則り、本展では‘ハマスホイ’とした。
     発信:インターネットミュージアム

    「ハマスホイとデンマーク絵画」 公式サイト
    おすすめレポート
    学芸員募集
    地域おこし協力隊(文化財調査・活用促進員)募集します! [小坂町郷土館博物館]
    秋田県
    ポーラ美術館 学芸員及びエデュケーター募集 [ポーラ美術館]
    神奈川県
    肥後の里山ギャラリーの企画・運営担当者(学芸員) [肥後銀行本店 肥後の里山ギャラリー]
    熊本県
    (公財)埼玉県埋蔵文化財調査事業団発掘調査職員(期限付き)募集 [埼玉県内の発掘調査現場等]
    埼玉県
    黒部市美術館 学芸員募集 [黒部市美術館]
    富山県
    展覧会ランキング
    1
    東京都美術館 | 東京都
    ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢
    開催中[あと53日]
    2025年9月12日(金)〜12月21日(日)
    2
    上野の森美術館 | 東京都
    「正倉院 THE SHOW -感じる。いま、ここにある奇跡-」
    もうすぐ終了[あと11日]
    2025年9月20日(土)〜11月9日(日)
    3
    出羽桜美術館 | 山形県
    没後40年 有元利夫 優美な絵画世界への誘い
    開催中[あと39日]
    2025年9月5日(金)〜12月7日(日)
    4
    東京国立博物館 | 東京都
    特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」
    開催中[あと32日]
    2025年9月9日(火)〜11月30日(日)
    5
    国立西洋美術館 | 東京都
    オルセー美術館所蔵 印象派ー室内をめぐる物語
    開催中[あと109日]
    2025年10月25日(土)〜2026年2月15日(日)