写真家・石元泰博(1921-2012)の生誕100年を記念した展覧会が、東京都写真美術館 2階展示室で開催中です。

東京都写真美術館「生誕100年 石元泰博写真展 生命体としての都市」展示風景 (手前左から)資料1 『シカゴ、シカゴ』美術出版社 1969年 / 資料2 『シカゴ、シカゴ その2』リブロポット キヤノンクラブキヤノン販売 1983年
石元泰博は、日本の写真史上でもとても重要な写真家のひとりです。
高知県から渡米した農業移民の子として、サンフランシスコで生まれ、戦前・戦後を通じて日米を行き来して活動。
その功績は、文化功労者への選出、旭日重光章の受賞(追贈)など、広く讃えられています。

「シカゴ、シカゴ」より 《シカゴ 街》1959-61年 東京都写真美術館蔵 3点いずれも ©高知県, 石元泰博フォトセンター
今年は、石元のルーツである高知(高知県立美術館)と、後半生の拠点とした東京(東京都写真美術館、東京オペラシティ アートギャラリー)の3カ所で、記念の展覧会が開催。
多彩な仕事を、過去最大規模のスケールで俯瞰していきます。

「シカゴ、シカゴ」より (左から)《シカゴ 街》1959-61年 / 《シカゴ こども》1959-61年 ともに 東京都写真美術館蔵 ©高知県, 石元泰博フォトセンター

「東京」より (左から)《東京 山の手線・29(原宿)》1984年 / 《東京 山の手線・29(渋谷)》1981-89年 ともに 東京都写真美術館蔵 ©高知県, 石元泰博フォトセンター

「桂離宮」より (左から)《桂離宮 古書院二の間の南面・一の間と囲炉裏の間を望む》 / 《桂離宮 新御殿一の間上段・附書院の櫛形窓》 ともに 1981-82年 東京都写真美術館蔵 ©高知県, 石元泰博フォトセンター
東京都写真美術館では「都市」への視線がテーマ。
「シカゴ、シカゴ」「東京」「桂離宮」「多重露光」「刻 moment」「シブヤ、シブヤ」と章立てて、ミッドキャリアから晩年に至る作品を中心に、写真家・石元泰博の時を超える孤高のまなざしを展覧します。

「多重露光」より (左から)《色とかたち》1983年頃 / 《色とかたち》1970年代-89年 ともに 東京都写真美術館蔵 ©高知県, 石元泰博フォトセンター

「刻 moment」より (左から)《雲》1991年 / 《雪のあしあと》1980年代-94年 ともに 東京都写真美術館蔵 ©高知県, 石元泰博フォトセンター

「シブヤ、シブヤ」より 《シブヤ、シブヤ》2003-06年 高知県立美術館蔵 ともに ©高知県, 石元泰博フォトセンター
本展は東京オペラシティ アートギャラリーでの展覧会「生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代」と相互割引を実施中です。詳しくは公式サイトでご確認ください。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2020年9月29日 ]