ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜

祖からひ孫まで

16世紀のフランドルで活躍したピーテル・ブリューゲル1世。長男・次男はもとより、孫やひ孫まで続く、名門の画家一族でした。貴重な個人蔵の作品を中心に約100点の作品を紹介する展覧会が、東京都美術館で開催中です。

  • ピーテル・ブリューゲル2世《野外での婚礼の踊り》1610年頃 個人蔵
  • (左手前から)ヤン・マンデイン《キリストの冥府への降下》制作年不詳 個人蔵 / マールテン・ファン・ファルケンボルフ、ヘンドリク・ファン・クレーフェ《バベルの塔》1580年頃 個人蔵
  • (右手前)セバスティアン・フランクス《野に向かう農民のいる風景》1620-1625年頃 個人蔵
  • (左手前)ピーテル・ブリューゲル2世《鳥罠》1601年 個人蔵
  • (左から)ヤン・ブリューゲル2世《嗅覚の寓意》1645–1650年頃 / ヤン・ブリューゲル2世《聴覚の寓意》1645–1650年頃 個人蔵
  • (左手前)ペーテル・パウル・ルーベンスと工房、フランス・スナイデルス《豊穣の角をもつ3人のニンフ》制作年不詳 個人蔵
  • (左手前から)ヤン・ファン・ケッセル1世《蝶、カブトムシ、コウモリの習作》1659年 個人蔵 / ヤン・ファン・ケッセル1世《蝶、コウモリ、カマキリの習作》1659年 個人蔵
  • (左から)ピーテル・ブリューゲル2世《聖霊降臨祭の花嫁》1616年以降 デッサウ、アンハルト絵画館 / ピーテル・ブリューゲル2世《七つの慈悲の行い》1616年 個人蔵
  • (左奥から)ヤン・ブリューゲル2世《籠と陶器の花瓶に入った花束》1640–1645年頃 個人蔵 / ヤン・ブリューゲル1世、ヤン・ブリューゲル2世《机上の花瓶に入ったチューリップと薔薇》1615–1620年頃 個人蔵

昨年は《バベルの塔》が来日して話題になったピーテル・ブリューゲル1世。ピーテル・ブリューゲル(父)と紹介される事もある事から、息子も画家なのは推測できますが、孫やひ孫まで続く画家一族とは、あまり知られていなかったと思います。

展覧会では、150年に渡って画家を輩出したブリューゲル一族の作品を中心に紹介。順路を追って、1フロアずつご紹介していきます。

1章は「宗教と道徳」。ヒエロニムス・ボスの影響を受け、「第二のボス」とも称されたピーテル1世。ただ、キリスト教的善悪の表現に終始したボスに比べ、より冷静に現実世界を観察した作品が目立ちます。

2章は「自然へのまなざし」。1552年頃からイタリア旅行に出たピーテル1世。道中のアルプスで、起伏のないネーデルラントとは異なる風景に魅せられました。自然への関心は、次男のヤン1世に受け継がれています。

1章「宗教と道徳」、2章「自然へのまなざし」


3章は「冬の風景と城砦」。ピーテル1世の長男が、ピーテル2世。父の忠実な模倣作を描き、父の名声を不動のものにしました。《鳥罠》はピーテル2世の工房の内外で量産され、130点以上の作品が確認されています。

4章は「旅の風景と物語」。ブリューゲル一族が活躍したのは、商業の中心地として栄えたアントウェルペン(アントワープ)。旅や貿易は、格好の画題になりました。ピーテル1世の次男・ヤン1世や、その長男・ヤン2世らの作品が並びます。

5章は「寓意と神話」。戦争と平和、自然を構成する元素など、四大元素(大地・水・大気・火)など、概念を絵画にした寓意画。このジャンルを得意としていたのはヤン2世です。

3章「冬の風景と城砦」、4章「旅の風景と物語」、5章「寓意と神話」


6章は「静物画の隆盛」。美しい花卉画で「花のブリューゲル」とも呼ばれたヤン1世。息子のヤン2世も父の作品を模範としました。静物画もヴァニタス(虚栄)の意味があり、‘美しいものもいずれ朽ちる’というメッセージが込められています。

最後の7章「農民たちの踊り」に、本展メインビジュアルのピーテル2世《野外での婚礼の踊り》が登場。17世紀フランドル絵画において人気が高い画題です。ピーテル2世も約20年にわたって描いていますが、本作は最初期の作例で、かつ最良の作品のひとつとされています。

6章「静物画の隆盛」、7章「農民たちの踊り」


出展作品のほとんどが日本初公開という、貴重な展覧会です。東京展の後は、愛知展(4月24日~7月16日、豊田市美術館)、北海道展(7月28日~9月24日、札幌芸術の森美術館)で開催。その後に広島県・福島県に巡回します。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年1月21日 ]

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¥ 950

料金一般当日:1,600円
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会期

2018年1月23日(火)~4月1日(日)