学芸員が選ぶ おすすめミュージアム

    第9回 水木祥子(ひろしま美術館 学芸員)

    水木祥子(ひろしま美術館 学芸員)

    ひろしま美術館の水木です。当館は広島市の中心部に位置していますが、四季折々の自然を楽しむことができる中庭の周りに、厳島神社を模した回廊が廻らされ、周囲の喧騒を感じさせない静かな空間が広がっています。原爆ドームをモデルにした本館には、原爆によって傷ついた市民の心のやすらぎの場となることを願って収集された印象派を中心としたフランス近代絵画が展示されています。なかでも小林さんにご紹介いただいたゴッホの《ドービニーの庭》は、お目当てに来られるお客様が多いため、近年は門外不出の作品として常設展示しています。“消されてしまった”黒猫は、カフェのマスコットやオリジナルグッズになって活躍中です。

    ちなみに、コレクションの柱の一つである日本近代洋画はなかなか展示をする機会がないのが悩みの種ですが、来年度は「花と静物画」をテーマに企画展示をする予定です。近年加わった新収蔵品も初お目見えしますので、どうぞお楽しみに。



    本館第2展示室 中央:ゴッホ《ドービニーの庭》




    私のおすすめミュージアム

    兵庫県立美術館

    おすすめの美術館として「兵庫県立美術館」をご紹介します。最寄駅からミュージアムロードを歩いていくと、屋上からのぞく“美かえる”が出迎えてくれて、ほっこりさせられます。

    関西の主要館として大型の特別展をはじめ多彩な切り口の展覧会を開催されており、特別展を目当てに伺うことが多いのですが、訪問する際にいつも楽しみにしているのがコレクション展の金山平三記念室です。神戸出身の画家である小磯良平と金山平三については数多くの作品を所蔵されており、記念室が設けられています。約20点の作品を常時堪能することができる、ファンにとってたいへんありがたい美術館です。日本の気候と風土に根差した金山の風景画は心地よく、いつも時が過ぎるのを忘れるほど見入ってしまいます。

    収蔵品の魅力に加えて、安藤忠雄による建築は、迷路の中を探検するかのような楽しみがあります。海に向って開かれた屋外スペースを散策したり、一日ゆっくり時間をとって訪れたい美術館です。


    兵庫県立美術館 外観
    兵庫県立美術館 外観

    兵庫県立美術館 外観
    兵庫県立美術館 外観

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