FUMIT
「日本の夏」と題した企画の通り、「夏・海・青」基調の展示でした。
見た目に涼し気で、酷暑の季節にピッタリです。
東山魁夷はやはり「青」ですね。緑色がかった独特な青色が目を惹きます。
大作『満ち来る潮』は構想図・習作・下絵も公開されていましたが、下絵には方眼のように細かくガイドラインが引いてあり、緻密な計算で画面構成をしたことをうかがわせます。完成作はダイナミックで日本の海を特徴的に捉えていると感じました。
その他にも奥村土牛や川井玉堂、上村松園など錚々たる日本画作品が並び、いずれも「夏」を描いた作品で、色々な夏の捉え方が興味深かったです。
個人的には池田輝方『夕立』が良かったです。急な夕立に雨宿りをする江戸の街の1シーンを切り取った作品で。絽や紗といった薄物の着物でかすかに透ける腕や脚の描写が面白かったです。
それと観るのは何度目かですが川端龍子『鳴門』はダイナミックで力強い波のうねりの表現と明るい青色と白波のコントラストが素敵でした。この作品は毎夏観たいですね(笑)