《前期》2024/10/2(水)~11/10(日)
《後期》2024/11/13(水)~12/22(日)
平澤篤は、写実系作家として知られ、映画や音楽、写真などのイメージや幻想の世界に、家族や品々を融合させ独自の世界を創り出す画風で、白日会会員として活躍した画家。
ハリストス正教会の信徒であり、幼い頃からイコン(聖像)絵画に触れていた環境から、宗教的な精神世界を感じさせ、そこに確かな取材や体験に基づくリアリティが加わることで、観るものに重厚感を与えた。また、モチーフにも強いこだわりがあり、木彫りのマリオネットを自作したり、絵に映えそうと購入したカメラや時計は、故障していても独学で直して動かしてしまうほどだった。
愛する家族をモデルにしていることも特徴であろう。家族にしか見せない表情、我が子に注がれる慈しみのまなざし。家族を大切にし、妻子への深い愛情が強く伝わる作品を次々に生み出した。
闘病の末、57歳という若さで逝去してから時を経てもなお、幻想とリアリティの間を漂う独特な「平澤篤の世界」は、私たちを魅了してやまない。
今回の展覧会では前期・後期に分け、白日会出品作品を中心に約70点を展示いたします。
「Time piles up in the soul ~時は魂の中に積もる」をテーマに描かれた平澤作品の数々をご覧ください。