木城えほんの郷は、現代の絵本文化が日常の暮らしのなかに根付いていくことを願って、絵本の読み聞かせや絵本原画展など、様々な活動をすすめてきました。今回の絵本原画展では、1956年に誕生した月刊創作絵本「こどものとも」の創刊50周年を迎えるにあたって、ひとりの人間である子どもが輝かしい道すじを切り開いた「こどものとも」の歩みに学び、その魅力ある絵本の原画とともに、50年間に出版された「こどものとも」通巻600号の歩みを展示いたします。
本展では、「こどものとも」の初期の作品から、子どもたちに人気の寺村輝夫作「王さま」シリーズを山中春雄が描いた『ぞうのたまごのたまごやき』、舞台美術など多分野で活躍した村山知義の『おなかのかわ』、豊かな線描のさし絵で子どもたちを楽しませてきた山田三郎の『かもときつね』(サンケイ児童出版文化賞特別賞受賞)、戦後の絵本界をリードした堀内誠一のデビュー作『くろうまブランキー』、神わざと呼ばれるナンセンス絵本の世界を切り開き、現代絵本の巨星として永遠に人の心をとらえ続ける長新太の『かさもっておむかえ』、次の世代を担う西村温子の代表作『はるかぜのホネホネさん』まで、15作品各6点の原画をあわせて90点展示いたします。
現代絵本を確立してきた一つひとつの原画の魅力に出会うことで、大人も、絵本をよんでもらう子どもたちの世界も、より豊かになることを願っています。
また、「木城えほんの郷2006」としてゴールデンウィークの期間中、世界の絵本界をリードしてこられた松居直氏、昔話研究において世界的にも注目されている小澤俊夫氏、木城えほんの郷にもあたたかいご支援をいただいているおふたりに、10周年記念として講演していただきます。また、絵本フェア、おはなし会、手づくりあそびなど、ほかにも楽しい企画を準備しています。新緑の季節、ゆっくりとした時のなかで、ご家族、お友達など、楽しいひとときをお過ごし下さい。