インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」

日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」

■テーマはずばり「リアル三国志」
後漢の皇帝を操った奸雄の曹操。重さ50キロの青龍偃月刀を振り回す関羽。際立ったキャラ立ちで人気の三国志ですが、真の姿はだいぶ異なります。ずばり「リアル三国志」を合言葉に、その実像に迫る展覧会が、東京国立博物館 平成館で開催中です。
155年の曹操誕生から、280年の西晋による統一までが、三国志の時代。現在でも小説、漫画、映画、ゲームなどさまざまな分野で描かれ、中国と日本の両国で高い人気を誇ります。

ただ、これらはすべて「三国志演義」がベースです。そもそも「演義」が書かれたのは、ざっと正史の1000年後。史実との乖離は明らかです。

「語り多く物少なし」といわれる三国志ですが、近年は研究も進み、さまざまな事実が判明しつつあります。展覧会は、リアルな三国志の姿がターゲット。挑戦的な試みといえます。

会場はプロローグ「伝説のなかの三国志」から。「演義」によると、関羽の身長は2メートル超。展覧会のメインビジュアルになっている《関羽像》はこの大きさとほぼ等しく、堂々としたイケメン関羽です。

第1章は「曹操・劉備・孫権 ― 英傑たちのルーツ」。曹操は、祖父が皇帝に仕えた宦官、父は大臣という有力一族でした。孫権の先祖は戦国時代の軍略家です。

劉備の先祖は前漢・武帝の異母兄弟の中山靖王劉勝です。そのため、劉備は漢王朝の正当な後継者を自認しました。劉勝の墓からは、豪華な出土品が見つかっています。



第2章「漢王朝の光と影」。漢は400年続きましたが、黄巾の乱で王朝は弱体化。地方の豪族が力を持ち、中でも董卓は専横の限りを尽くしました。武装した騎兵が並ぶ《儀仗俑》は、董卓ゆかりの将軍との関連が指摘されています。

第3章は「魏・蜀・呉 ― 三国の鼎立」。さまざまな武器を駆使して、激しく対立した三国。なかでも弩(引き金がついた弓矢)は殺傷力が高く、重要な武器でした。展示室は無数の矢があしらわれた、楽しい演出です。

第4章は「三国歴訪」。黄河流域の魏、長江上流の蜀、長江中・下流の平野部と沿岸域の呉。広大な中国は地域で風土が異なり、それぞれ特徴的な文物が出土しています。

第5章がメインといえる「曹操高陵と三国大墓」。河南省安陽市で発掘された西高穴二号墓からは「魏武王」と記された副葬品が発見され、曹操の墓である事が確実になりました。

墓室内は前室と後室があり、それぞれ四角錘状の天井。出土品の《罐》は、白化粧に透明釉をかけて高火度で焼き上げた白磁です。これまでの記録を300年以上さかのぼる、最古と目される白磁になります。

ただ、全体的に出土品は質素。曹操は遺言で葬儀の簡素化を命じており、その教えが守られていた事になります。奸雄として描かれる事が多い曹操の、意外な一面です。

エピローグは「三国の終焉 ― 天下は誰の手に」。三国を束ねたのは、魏の武将だった司馬氏一族。魏の第5代皇帝・曹奐(曹操の孫)を退位させた司馬炎が西晋を建国し、三国志時代に終止符が打たれました。

展覧会は東京展の後、九州国立博物館に巡回します(10/1〜1/5)。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年7月8日 ]

※特別展「三国志」報道内覧会で取材。一般のご来場者によるフラッシュ、三脚の利用、また、動画の撮影は禁じられています。


三国志 Three Kingdoms Unveiling the Story特別展「三国志」公式図録 三国志 Three Kingdoms Unveiling the Story

東京国立博物館(著),九州国立博物館(著)

美術出版社
¥ 2,500

 
会場東京国立博物館
開催期間2019年7月9日(火)~9月16日(月・祝)
所在地 東京都台東区上野公園13-9
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : https://sangokushi2019.exhibit.jp/
展覧会詳細へ 日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」 詳細情報
取材レポート
国立西洋美術館「松方コレクション展」
松方コレクション展
東京国立近代美術館「高畑勲展 ― 日本のアニメーションに遺したもの」
高畑勲
渋谷区立松濤美術館「美ら島からの染と織 ― 色と文様のマジック」
美ら島からの染と織
国立新美術館「クリスチャン・ボルタンスキー ― Lifetime」
ボルタンスキー
寺田倉庫「STAR WARS™ Identities: The Exhibition」
スター・ウォーズ
森美術館「塩田千春展:魂がふるえる」
塩田千春
Bunkamura ザ・ミュージアム「みんなのミュシャ」
みんなのミュシャ
東京国立博物館「日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」」
特別展「三国志」
横浜美術館「原三溪の美術 伝説の大コレクション」
原三溪の美術
根津美術館「優しいほとけ・怖いほとけ」'
優しい 怖い ほとけ
国立歴史民俗博物館「もののけの夏
もののけの夏
国立科学博物館「特別展 「恐竜博 2019」
恐竜博 2019
東京国立博物館「特別企画 奈良大和四寺のみほとけ」
奈良大和四寺
ハラ ミュージアムアーク「加藤泉 ― LIKE A ROLLING SNOWBALL」
加藤泉
三菱一号館美術館「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン
M.フォルチュニ
パナソニック汐留美術館「マイセン動物園展」
マイセン動物園展
日本科学未来館「企画展「マンモス展」 その「生命」は蘇るのか」'
マンモス展
千葉市美術館「没後60年 北大路魯山人 古典復興 ― 現代陶芸をひらく ―」
北大路魯山人
エリアレポート MIHO MUSEUM「紫香楽宮と甲賀の神仏―紫香楽宮・甲賀寺と甲賀の造形」
[エリアレポート]
紫香楽宮と甲賀神仏
エリアレポート 東京オペラシティアートギャラリー「ジュリアン・オピー展」
[エリアレポート]
ジュリアン・オピー
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 「みんなのレオ・レオーニ展」
[エリアレポート]
レオ・レオーニ展
大阪市立東洋陶磁美術館「フィンランド陶芸+マリメッコスピリッツ」
[エリアレポート]
フィンランド陶芸
エリアレポート 豊田市美術館「クリムト展 ウィーンと日本 1900」
[エリアレポート]
クリムト
三井記念美術館「日本の素朴絵 ― ゆるい、かわいい、たのしい美術 ―」
[エリアレポート]
日本の素朴絵
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
特別展 「恐竜博 2019」 特別展「三国志」 唐三彩 ― シルクロードの至宝 ― 特別展「ニャンダフル 浮世絵ねこの世界展」
国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展 ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 生誕90周年記念 手塚治虫展 マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン 展
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、7/30から投票開始です!!
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社