インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  特集展示「もののけの夏 ― 江戸文化の中の幽霊・妖怪 ―」

特集展示「もののけの夏 ― 江戸文化の中の幽霊・妖怪 ―」

■オバケ大好きは、江戸時代から
【会期終了】 夏の展覧会では定番といえる、お化け。ただ、国立歴史民俗博物館が国内有数の「怪談・妖怪コレクション」を所蔵している事は、あまり知られていないかもしれません。100点の資料で江戸時代に描かれた妖怪や幽霊を紹介する展覧会が、同館で開催中です。
お化けや妖怪が大好きな日本人。漫画やアニメで何度も取り上げられており、ゲゲゲの鬼太郎、妖怪人間ベム、ドロロンえん魔くん、幽☆遊☆白書、妖怪ウォッチと、いくつでも挙げられます。

妖怪は死と隣り合わせにあり、本来は畏怖すべき存在です。ただ、江戸時代にはすでに興味関心の対象になっており、妖怪をテーマにした絵本や錦絵も大量に作られました。今につながる「妖怪ブーム」は、かなり前から始まっていた事になります。

展覧会では館蔵品を中心に個人蔵も加え、ちょうど100点で幽霊や妖怪を紹介。あわせて、それらが江戸文化で果たした役割も考察します。



冒頭は、狩野洞雲益信による《百鬼夜行図》。妖怪が行列を成して進むさまは、江戸時代に数多く描かれました。作者の狩野益信は狩野探幽の養子で、駿河台狩野家の祖。ユニークな描写ですが、各所に狩野派ならではの力量が見て取れます。

会場には、遊びに取り入れられた妖怪の姿も。歌川芳員《新板化物づくし》では、釜や酒樽も妖怪になっています。

江戸時代に妖怪が飛躍(?)した要因として、歌舞伎での上演もあげられます。怪談物の歌舞伎が成立したのは、文化・文政(1804~30)期。早替わりや戸板返しなど効果的な演出もあり、庶民の人気を博しました。怪談物の歌舞伎の流行を受けて、幽霊や妖怪を演じた役者絵も数多く描かれています。

妖怪は盛り場にも進出。見世物興行では等身大の幽霊がつくられたほか、現在の幻灯にあたる“写し絵”でも、幽霊が再現されています。

源頼光と四天王らの土蜘蛛退治など、英雄の武勇譚にも妖怪は登場します。「豊国にかほ(似顔)国芳むしや(武者)広重めいしよ(名所)」と呼ばれたように、武者絵といえば歌川国芳。横に三枚つないだ「大判三枚続」は、迫力たっぷりです。

激動の幕末・明治初頭には、妖怪を描いた浮世絵に世相への皮肉も込められました。歌川芳盛《昔ばなし舌切雀》には、箱から出てきた妖怪の中に、顔が長州藩毛利家の家紋になっている大入道が。発行された元治元年(1864)は、長州が敗北した「蛤御門の変」がおこった年です。

展覧会は企画展示室Bで開催。ただ、企画展ではなく特集展示のため、観覧料も常設展の料金(一般 600円など)と同額です。会場前にはスタンプで多色刷り版画のポストカードが作れる楽しいコーナーもありました。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年7月29日 ]

るるぶ にっぽんの博物館るるぶ にっぽんの博物館

ジェイティビィパブリッシング(編)

ジェイティビィパブリッシング
¥ 1,000

 
会場国立歴史民俗博物館
開催期間2019年7月30日(火)~9月8日(日)
所在地 千葉県佐倉市城内町117番地
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : https://www.rekihaku.ac.jp/
展覧会詳細へ 特集展示「もののけの夏 ― 江戸文化の中の幽霊・妖怪 ―」 詳細情報
取材レポート
東京国立博物館「出雲と大和」'
出雲と大和
東京都美術館「ハマスホイとデンマーク絵画」'
ハマスホイ
国立新美術館「DOMANI・明日2020 傷ついた風景の向こうに」'
DOMANI
根津美術館「〈対〉で見る絵画」'
〈対〉で見る絵画
府中市美術館「青木野枝 霧と鉄と山と」'
青木野枝
弥生美術館「もうひとつの歌川派?! 国芳・芳年・年英・英朋・朋世」'
もうひとつの歌川派
21_21
デザイナー達の原画
明治神宮ミュージアム「天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展」'
明治神宮M. 開館
渋谷区立松濤美術館「パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華 サラ・ベルナールの世界展」'
サラベルナール
出光美術館
やきもの入門
東京国立近代美術館「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」'
窓展
三井記念美術館「国宝
明治天皇への献茶
国立新美術館「ブダペスト
ブダペスト
エリアレポート 東京国立博物館「日本書紀成立1300年 特別展『出雲と大和』」
[エリアレポート]
出雲と大和
エリアレポート あべのハルカス美術館「カラヴァッジョ展」
[エリアレポート]
カラヴァッジョ
エリアレポート Bunkamura 「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」
[エリアレポート]
ソール・ライター
エリアレポート 半蔵門ミュージアム 「復元された古代の音」
[エリアレポート]
古代の音
エリアレポート 小泉八雲記念館「ハーンを慕った二人のアメリカ人」
[エリアレポート]
小泉八雲
エリアレポート 京都国立近代美術館「記憶と空間の造形 イタリア現代陶芸の巨匠 ニーノ・カルーソ」
[エリアレポート]
ニーノ・カルーソ
エリアレポート 名古屋市美術館「没後90年記念 岸田劉生展」
[エリアレポート]
岸田劉生
エリアレポート 愛知県美術館「コートールド美術館展 魅惑の印象派」
[エリアレポート]
コートールド
エリアレポート 大阪市立東洋陶磁美術館「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション」
[エリアレポート]
竹工芸名品展
エリアレポート 中之島香雪美術館 「上方界隈、絵師済々 Ⅰ」
[エリアレポート]
上方界隈、絵師済々
エリアレポート パナソニック汐留美術館 「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」
[エリアレポート]
暮らしの夢
エリアレポート 岐阜県現代陶芸美術館「小村雪岱スタイル 江戸の粋から東京モダンヘ」
[エリアレポート]
小村雪岱
エリアレポート 三鷹市美術ギャラリー「壁に世界をみる ― 吉田穂高展」
[エリアレポート]
吉田穂高
エリアレポート 豊田市美術館「岡﨑乾二郎 ー 視覚のカイソウ」
[エリアレポート]
岡﨑乾二郎
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ゴッホ展 特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて 日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」 天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展
奇蹟の芸術都市バルセロナ デザインあ展 in SHIGA 開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」 ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「鼠」
グランプリは《大根喰う(大黒)》でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2020 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社