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レポート
日本SF展 ★SFの国
世田谷文学館 | 東京都
「SF大国」の50年前
ウルトラマンやガンダムなどサブカルチャーの分野を含め、今やすっかり「SF大国」といえる日本ですが、本格的な歴史はまだ50年ほど。日本SF第一世代の活動を中心に、日本SFの黎明期を紹介する企画展が、世田谷文学館で開催中です。
戦前・戦中期には架空戦記SFも多く書かれました
日本SF作家クラブのスナップ写真も
SFアートの世界
大伴昌司の仕事
日本SFと映画
真鍋博による装幀
映画「戦国自衛隊」の衣装デザイン画
会場最後には記念撮影コーナー
「竹取物語」や「南総里見八犬伝」のように日本にも空想あふれる物語は昔からありましたが、今に繋がるSFは明治時代から。海外書籍の翻訳から、徐々に国産SFが作られるようになりました。

本格的にSFが広がったのは戦後の事です。1954年に日本初のSF専門誌「星雲」が刊行(ただし1号のみ)。1957年には同人誌「宇宙塵」が創刊され、星新一も同誌からプロ作家の道を歩み始めています(2013年廃刊)。

そして1959年末に、現在まで続く「SFマガジン」が早川書房から刊行されました。同誌は2014年5月で700号を達成、本展でも会場の冒頭で、その長い歴史を紹介しています。


SFマガジン

日本SF第一世代の作家として、会場では特に五人をピックアップしました。

近代的なSFを最も早く書き始めた星新一、大阪万博のプロデューサーも務めた小松左京、鉄腕アトムをはじめSFも多い「マンガの神様」手塚治虫、SF小説の挿絵や装丁を数多く手がけた真鍋博、「時をかける少女」は何度も映画化された筒井康隆。

筒井康隆を除く4人は、すでに物故者。それぞれ自身の言葉や資料で、その足跡を振り返ります。


会場

ご紹介したいコーナーが「SFアートの世界」。SF小説の扉絵には、ひと目でそれと分かる特徴的なイラストがよく見られます。会場では中島靖侃や斎藤和明などによる原画を展示しています。

メカ類とともにしばしば登場するのは、露出が多くグラマラスな女性。安定した様式美といえるかもしれません。


「SFアートの世界」

日本SFを語る上で、大伴昌司(おおともしょうじ)の存在を忘れるわけにはいきません。一昨年の弥生美術館での回顧展も記憶に新しいところです。

少年マガジンの編集者だった大伴は、巻頭グラビアで「ウルトラ怪獣の解剖図」をはじめ、さまざまな人気企画を連発。その仕事は当時の子どもたちを熱狂させ、日本SFの魅力を倍増させた大功労者といえます。


「大伴昌司の仕事」

多くの国産SFの中で、あえて1点だけ挙げるなら、やはり小松左京の「日本沈没」でしょう。地殻変動で日本が消滅する衝撃のストーリーは9年がかりで執筆され、1973年に発表。同年の映画も880万人を動員する大ヒットとなりました。

本展で初公開されたのが、半村良が小松に宛てた手紙。読後の半村は「もう小説を書くのをよそうと思いました」と綴るほどでした。


「日本沈没」の原稿や資料など

ぜひミュージアムショップで手に取っていただきたいのが、限定ミニブック「きつねこあり」。68mm×52mmの豆本で、筒井康隆「きつね」、星新一「ネコ」、小松左京「アリ」の3編を1冊に収録し、500円とお手頃価格です。会期中、世田谷文学館のみでの販売です。

また、公式図録も楽しいデザインです。「日本SFの父」海野十三(うんの・じゅうざ)の書籍のカバーイラストを使い、中身も往年の子ども向け雑誌のような質感。こちらは世田谷文学館のオンラインショップでも販売しています。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年7月30日 ]



■日本SF展 に関するツイート


 
会場
会期
2014年7月19日(土)~2014年9月28日(日)
会期終了
開館時間
10:00~18:00(入館17:30まで)
休館日
月曜日休館 ただし9月15日(月)は開館、翌日休館
住所
東京都世田谷区南烏山1-10-10
電話 03-5374-9111
公式サイト http://www.setabun.or.jp
料金
一般=800(640)円
高校・大学生、65歳以上=600(480)円
障害者手帳をお持ちの方=400(320)円
中学生以下無料

※( )内は20名以上の団体料金
※「せたがやアーツカード」割引あり
※障害者手帳をお持ちの方の介添者(1名まで)は無料
※7月25日(金)は65歳以上の方は無料
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