インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  メアリー・エインズワース浮世絵コレクション

メアリー・エインズワース浮世絵コレクション

■個人コレクションなのに、浮世絵史を網羅
【会期は5/26まで】 ボストン美術館、V&A博物館など、優れた浮世絵コレクションを持つ美術館はいくつもありますが、米国オハイオ州オーバリン大学のアレン・メモリアル美術館はあまり知られていないかもしれません。ひとりの米国人女性が集めた貴重なコレクション、初の里帰り展が千葉市美術館で開催中です。
1,500点以上の浮世絵を蒐集してオーバリン大学に寄贈した、メアリー・エインズワース(1867-1950)。明治39年(1906)の日本旅行で目にした浮世絵に魅了された事が、蒐集のきっかけです。

オーバリン大学の卒業生だった彼女は、亡くなった時にコレクションを同大学に寄贈。貴重な作品も含まれますが、これまで米国でも大規模な展覧会が行われたことがありませんでした。

本展は、選りすぐりの200点を紹介する里帰り展。エインズワースが浮世絵に注いだ情熱を、5章構成で振り返ります。

1章は「浮世絵の黎明 墨摺絵からの展開」。エインズワースが最初に購入した浮世絵は、石川豊信《 傘と提灯を持つ佐野川市松》。墨摺絵に筆で紅の彩色を施した「紅絵」で、浮世絵の初期作品です。

多くの浮世絵コレクターが派手な錦絵を好む中、エインズワースはこの作品の素朴さと力強さに惹かれたのでしょうか。浮世絵蒐集のきっかけとしては、珍しいパターンです。

2章は「色彩を求めて 紅摺絵から錦絵の時代へ」。浮世絵の技術は進歩し、寛保・延享期(1741-48)には「紅摺絵」が登場。明和期(1764-72)になると、フルカラーの「錦絵」が誕生します。

この時代の第一人者が、鈴木春信です。中性的な美人や若衆で人気を博し、急逝した後も「春信風の美人」は多くの絵師に模倣されました。



3章は「錦絵の興隆 黄金期の華 清長から歌麿へ」。当初は高級品だった錦絵も、徐々に大衆まで拡大。天明~寛政期(1781-1801)は、数々の絵師が腕を競う、浮世絵黄金時代といえます。

美人画では鳥居清長や、次世代の喜多川歌麿、鳥文斎栄之。役者絵は勝川派や、歌川豊国、歌川国政など。現在では評価が高い東洲斎写楽は、当時は人気が低かったので、活動は短期間でした。

4章は「風景画時代の到来 北斎と国芳」。風景画の存在感が高まったのは、葛飾北斎『冨嶽三十六景』シリーズから。エインズワースも北斎の良品を蒐集しており、初期に名乗っていた「春朗」時代の作品を4点も持っている事も特筆されます。

5章は「エインズワースの愛した広重」。エインズワースのコレクションのほぼ半分を占めるのが、歌川広重です。

広重には、意図的に版や摺を変えた作品がしばしばあります。本展でも、ゴッホが模写した事で有名な「大はしあたけの夕立」などで、複数の作品を展示。かなり印象が異なる事が実感できます。

コレクターの趣味や嗜好が反映される事が多い個人コレクションですが、エインズワースの浮世絵は実に網羅的。初期から幕末まで幅広く、しかもポイントになる絵師をきちっと抑えているので、まるで浮世絵の教科書のような展覧会です。

初期浮世絵の中には、このコレクションでしか確認できない作品や、横に複数つなげた続物(つづきもの)も多いので、見ごたえたっぷり(歌麿の7枚続も!)。

日本では初めての公開となるため、浮世絵の展覧会としては珍しく展示替えもありません。

巡回展で、千葉市美術館からスタート。次いで静岡市美術館(6/8~7/28)、大阪市立美術館(8/10~9/29)に巡回します。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年4月16日 ]

美術館&博物館さんぽ 首都圏版美術館&博物館さんぽ 首都圏版

ぴあ(編)

ぴあ
¥ 994

 
会場千葉市美術館
開催期間2019年4月13日(土)~5月26日(日)
所在地 千葉県千葉市中央区中央3-10-8
TEL : 043-221-2311
HP : http://www.ccma-net.jp/
展覧会詳細へ メアリー・エインズワース浮世絵コレクション 詳細情報
取材レポート
東京都美術館「クリムト展 ウィーンと日本
クリムト展
「横手市増田まんが美術館」がリニューアル'
増田まんが美術館
国立新美術館「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」
ウィーン・モダン
サントリー美術館「information
左脳と右脳
三菱一号館美術館「ラファエル前派の軌跡
ラファエル前派
東京国立博物館「特別展 美を紡ぐ
日本美術の名品
東京ステーションギャラリー「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」'
ルート・ブリュック
東京国立博物館「国宝
国宝 東寺
横須賀美術館「縮小/拡大する美術 センス・オブ・スケール展」'
スケール展
森アーツセンターギャラリー「ムーミン展」
ムーミン展
パナソニック汐留美術館「ギュスターヴ・モロー
モロー展
東京都江戸東京博物館「江戸の街道をゆく」'
江戸の街道をゆく
国立西洋美術館「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ
ル・コルビュジエ
横浜美術館「Meet
アートと人と美術館
国立科学博物館「特別展
大哺乳類展2
東京国立近代美術館「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」'
福沢一郎展
TOC五反田メッセ「Exhibitionismーザ・ローリング・ストーンズ展」'
ストーンズ展
あべのハルカス美術館「クマのプーさん展」
[エリアレポート]
クマのプーさん展
練馬区立美術館「くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵展」
[エリアレポート]
遊べる浮世絵展
愛知県美術館「アイチアートクロニクル1919-2019」
[エリアレポート]
アイチクロニクル
奈良国立博物館「国宝の殿堂 藤田美術館展 曜変天目茶碗と仏教美術のきらめき」
[エリアレポート]
藤田美術館展
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
インターネットミュージアム アルバイト募集中
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ギュスターヴ・モロー 展 ー サロメと宿命の女たち ー ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 特別展 「恐竜博 2019」
特別展「美を紡ぐ 日本美術の名品 ― 雪舟、永徳から光琳、北斎まで ―」 鎌倉禅林の美「円覚寺の至宝」 ムーミン展 六古窯 ― 〈和〉のやきもの
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018、グランプリは
「雷切丸くん」でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社