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レポート
日本の70年代 1968-1982
埼玉県立近代美術館 | 埼玉県
情熱と野心と挑戦と
1982年の開館から30周年を迎えた埼玉県立近代美術館。開館までの15年間を振り返る企画展がはじまりました。大阪万博からセゾン文化まで、さまざまなジャンルの事例から時代の精神を回顧します。
入口左側で上映されているのは《ピアノ炎上》
大阪万博・せんい館の展示。奥は四谷シモン《ルネ・マグリットの男》
横尾忠則が表紙を手がけた《週刊少年マガジン》
右は上村一夫《同棲時代》原画
会場。吊るして展示されているのはLPジャケット
「70年代中頃のデザインの勉強している大学生の自室」を再現した小部屋
西武美術館のポスター。三宅一生、カンディンスキー、月岡芳年、ジャスパー・ジョーンズ…
日本グラフィック展。第3回の大賞は日比野克彦
ひと口で‘70年代’と言っても、その様相は様々。学生運動の余波が残る前半と、オイルショックを経て低成長期に入った後半では、世相もかなり異なります。ただ、現在よりもアグレッシブだったことは確か。熱意と活力に満ちたクリエイター達は、挑戦的な表現を次々に発表していきました。

美術、デザイン、建築、写真、演劇、音楽、漫画など多彩なジャンルでこの時代を振り返ろうという本展。会場には若い人の姿も多く見られました。


会場

入口で放映されているのは、粟津潔の実験的な映像《ピアノ炎上》(1973年)。消防服姿の山下洋輔が炎上するピアノを演奏した伝説的なパフォーマンスです。

この時代を紹介するのですから、展示方法も一筋縄ではいきません。驚かされたのは、配管スペース(本当のバックヤード)に「天井桟敷」の関連資料を展示したコーナー。こんな場所を展示に使うのは前代未聞と思います。


配管スペースで展示されているのは、「市街劇ノック(天井桟敷)」関連資料

この時代をリードしていたのは、紛れもなく若者です。若者文化を後押しする魅力的な雑誌も次々に創刊されました。

1973年に「WonderLand」として創刊された「宝島」。1976年創刊の「POPEYE」、そして「BRUTUS」「Olive」。会場には創刊号やロゴの原画などが並んでいます。


「WonderLand」~「Olive」

70年代も後半になると、軽やかな空気が主流となってきます。華やかな消費生活の中心的な役割を果たしたのが、西武百貨店を中心とした「セゾン文化」です。

「不思議、大好き。」「おいしい生活」など糸井重里の名コピーは、今でも強く印象に残ります。


セゾン文化のポスター数々

会場後半には「70年代中頃のデザインの勉強している大学生の自室」をイメージした部屋の再現もあり、中に上がってみることができます。

机の横にはLARKの円筒型ゴミ箱、木製のテニスラケット、窓の上の小棚にはマッチ箱のコレクション。部屋にはケータイやパソコンはもちろん、テレビも無し。個人で楽しむメディアは深夜番組などのラジオ放送が主力でした。


「70年代中頃のデザインの勉強している大学生の自室」の展示

展覧会は、1982年に開館した埼玉県立近代美術館の資料の展示で終わります。建物を設計したのは黒川紀章、ロゴのデザインは田中一光です。

黒川のメタボリズム建築「中銀カプセルタワービル」は72年の竣工、田中は75年にセゾングループのクリエイティブディレクターに就任と、70年代にも大きな足跡を残した二人ですが、黒川は2007年、田中は2002年に亡くなりました。(取材:2012年9月15日)

セイ!ヤング&オールナイトニッポン70年代深夜放送伝説

文化放送&ニッポン放送&田家秀樹 編 (著)

扶桑社
¥ 1,260

 
会場
会期
2012年9月15日(土)~11月11日(日)
会期終了
開館時間
10:00~17:30
※入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜日(9月17日、10月8日は開館)
住所
埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1
電話 048-824-0111
公式サイト http://momas.jp/
料金
一般1000円(800円) 、大高生800円(640円)
※( )内は20名以上の団体料金。
※併せてMOMASコレクションもご覧いただけます。
※中学生以下と65歳以上、障害者手帳をお持ちの方(付き添い1名を含む)はいずれも無料です。
展覧会入場時に確認いたしますので
・65歳以上の方は、年齢を確認できるもの(運転免許証、健康保険証等)をご持参ください。
・障害者手帳をお持ちの方は、手帳をご持参ください。
※9月14日(金)まで前売りします。詳細は埼玉県立近代美術館ホームページをご覧ください。
【前売価格】
一般:800円 大高生:640円(通常価格の2割引)
展覧会詳細 開館30周年記念展 日本の70年代 1968-1982 詳細情報
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