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    レポート
    練馬区立美術館コレクション展 シリーズ時代と美術3 1970-80's
    練馬区立美術館 | 東京都
    無料で楽しめる、充実のコレクション展
    1985年に開館した練馬区立美術館。開館30周年企画として、所蔵作品を紹介するコレクション展を一昨年から開催しています。3回目の今回は1970~80年代の37作品です。
    (左)牧野邦夫《インパール》 / (右奥、右上から時計回りで) / 小作青史《手の中の風景》 / 小作青史《群馬走る》 / 小作青史《馬上の子供》 / 小作青史《ふりむいたあなた》
    (左から)品川工《フォルム 黄》 / 品川工《モビール》 / 高山良策《鮫と仙人掌》
    (左から)荒川修作《THE UNRECOGNIZABLE TEMPERATURE IN SLOW MOTION》 / 白髪一雄《文覚 滝の行》
    (左から)郭徳俊《フォードと郭》 / 牧野邦夫《画家R氏の肖像》
    (左から)高松次郎《影》 / 高山良策《盛り上がる海》 / 深沢紅子《踊る》
    (左から)大沢昌助《廻転》 / 星野眞吾《暗室の生きもの》
    (左から)難波田龍起《彼方》 / 高橋節郎《追憶の記》
    (左から)村井正誠《いそぐ人》 / 中西夏之《L字型 ─ 左右の停止Ⅳ ─ 》
    (左)寺田真由美《Mr.ジョーンズ》 / (右上)草間彌生《Flowers》 / (右下)草間彌生《帽子》
    2013年は「1930~50年代前半 伸縮する内と外 靉光≪花と蝶≫を中心に」、2014年は「1955~70年 大沢昌助≪人物の構図≫を中心に」と開催した練馬区立美術館。毎年、この時期に開催しています。

    コレクション展という事もあって2階展示室のみでの開催(通常の企画展は2階と3階で開催されます)ですが、なんと入館は無料。昨今、あらためて注目度が増している作家も多く、かなりオトクな展覧会といえます。


    会場

    会場入口の《インパール》をはじめ、25人の出展作家の中で最多の4作品が展示されているのが、牧野邦夫。2013年に同じ練馬区立美術館で開催された「牧野邦夫 ― 写実の精髄」展には驚かされました。ひと目でそれと分かる匂い立つような描写は、同年代の作品と並ぶと、さらに際立って見えます。


    牧野邦夫の作品

    もう一人、小作青史(おざくせいし:1936~)の作品も印象的です。東京藝大油画専攻科を卒業、海外の版画展で受章を重ね、文化庁在外派遣研究員としてフランス・ドイツに留学。帰国後は独自版画手法を研究し、プレス機がなくても版画を制作できる「木版リトグラフ」、誰でも簡単に刷れる「楊枝バレン」などを提案し、版画の普及にも務めています。変形した人物の版画作品が紹介されています。


    小作青史の作品

    他にも、ビッグネームの作品がずらり。豊富な近・現代美術コレクションを誇る練馬区立美術館の実力が垣間見える展覧会です。


    順に、荒川修作《THE UNRECOGNIZABLE TEMPERATURE IN SLOW MOTION》、白髪一雄《文覚 滝の行》、中西夏之《L字型 ─ 左右の停止Ⅳ ─ 》、高松次郎《影》、草間彌生《Flowers》《帽子》

    本展のリーフレットは2つ折りで、内側は現代美術の年表です。その時代の出来事と美術作品のほか、美術にも影響を与えたキーワードも掲載。全4回分を縦に繋げると、1930年代~2000年代までの長い年表になります。会場では前回のリーフレットも配布しています。

    来年のこの時期に4回目が開催される予定、最後は1990年代から2000年代までとなります。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2015年6月10日 ]

    牧野邦夫画集―写実の精髄牧野邦夫画集―写実の精髄

    牧野 邦夫 (著)

    求龍堂
    ¥ 3,564


    ■練馬区立美術館 コレクション展 に関するツイート


     
    会場
    会期
    2015年5月22日(金)~6月30日(火)
    会期終了
    開館時間
    10:00~18:00
    ※入館は、原則として17:30まで
    休館日
    月曜日休館
    住所
    東京都練馬区貫井1-36-16
    電話 03-3577-1821
    公式サイト http://www.neribun.or.jp/museum.html
    料金
    無料
    展覧会詳細 「練馬区立美術館コレクション展 シリーズ時代と美術3 1970-80's」 詳細情報
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