
上野の森美術館「長坂真護展 Still A “BLACK” STAR」会場より 長坂真護
先進国が廃棄した壊れたゲーム機、パソコンのキーボードなど電子器機の廃材でアート作品を制作する美術家・長坂真護の展覧会が、東京ではじまる。
長坂は2009年に自ら経営する会社が倒産したことを契機に路上の絵描きになり、2017年にガーナのスラム街・アグボグブロシーを訪問。
“世界の電子機器の墓場”と呼ばれる同地で、先進国が捨てた電子機器を燃やして大量のガスを吸いながら、1日わずか500円の日当で生きる若者たちから衝撃を受け、不条理な現状を先進国に伝えることを決意した。
長坂は、現地から持ち帰った廃材で作品を制作し、その売上を現地の人々に還元する「サスティナブル・キャピタリズム(持続可能な資本主義)」を提唱。これまでに1,000個以上のガスマスクを現地に届けている。
また将来的な目標として、2030年までに資金を集め、現地にリサイクル工場を建設。新たな産業と雇用を生み出すことを掲げている。
展覧会では、長坂がアートでサスティナブルな世界を目指す足跡と共に、電子機器廃棄物を使用した作品のほか、世界平和への願いを込めたさまざまな作品を紹介。
長坂の展覧会が美術館で開催されるのは、本展が初めてとなる。
「長坂真護展 Still A “BLACK” STAR supported by なんぼや」は上野の森美術館で2022年9月10日(土)~11月6日(日)に開催。入館料は一般 1,400円など。

上野の森美術館「長坂真護展 Still A “BLACK” STAR」会場

上野の森美術館「長坂真護展 Still A “BLACK” STAR」会場

上野の森美術館「長坂真護展 Still A “BLACK” STAR」会場