
泉屋博古館東京「もてなす美 ― 能と茶のつどい」会場
能と茶の湯に焦点を当てた企画展が、東京・六本木の泉屋博古館東京で開催される。
能は室町時代に観阿弥・世阿弥の父子によって大成され、江戸時代には幕府の式楽として発展し、武家の教養としても重視された。住友家では九代当主・友聞が能を通じて武家との交流を深めた記録が残っている。
近代には十五代当主・住友吉左衞門友純(号・春翠)が能を好み、招宴の席では余興として能がたびたび上演。春翠自身も舞や謡を披露し、そのための能面・能装束・楽器の収集にも力を入れた。こうしたコレクションの形成には、春翠の能の師であった能楽師・大西亮太郎が大きく関わったことが知られている。
また住友家では能とともに茶の湯も重んじられ、客をもてなす際の重要な作法として受け継がれてきた。春翠が催した茶会では大西亮太郎がしばしば登場し、両者が茶を介して深い交流を結んでいたことが記録から読み取れる。
展覧会では住友家のもてなしの文化を示す能装束、能面、茶道具などを展示。能と茶が交わる豊かな美意識を紹介する。東京館で能装束がこれほどの規模で紹介されるのは、2006年の「The 能」展以来、約20年ぶりとなる。
企画展「もてなす美 ― 能と茶のつどい」は、泉屋博古館東京で2025年11月22日(土)~12月21日(日)に開催。観覧料は一般 1,200円など。

泉屋博古館東京「もてなす美 ― 能と茶のつどい」会場

泉屋博古館東京「もてなす美 ― 能と茶のつどい」会場

泉屋博古館東京「もてなす美 ― 能と茶のつどい」会場