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    レポート
    フランス絵画の精華 ─ 大様式の形成と変容
    東京富士美術館 | 東京都
    「ヨーロッパ絵画の規範」を通覧
    フランス美術といえば印象派やポスト印象派に注目が集まりますが、「ヨーロッパ絵画の規範」として君臨していたのは、それより前の時代です。17~19世紀、フランス絵画が最も偉大で華やかだった時代の作品を紹介する展覧会が、東京富士美術館で開催中です。
    エリザベト=ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン《ポリニャック公爵夫人、ガブリエル・ヨランド・クロード・マルチーヌ・ド・ポラストロン》1782年 ヴェルサイユ宮殿美術館
    (左から)クロード・ロラン(本名 クロード・ジュレ)《ペルセウスと珊瑚の起源》1673年 ホウカム・ホーム / ピエール・パテル《エジプト逃避途上の休息》1658年 トゥール美術館、ルーヴル美術館より寄託
    (左から)シャルル・ル・ブラン《キリストのエルサレム入城》1688-1689年 サン=テチエンヌ近現代美術館、ルーヴル美術館より寄託 / シャルル・ル・ブラン《スブリキウス橋を守るホラチウス・コクレス》1643-1645年頃 ダリッジ絵画館
    (左から)ボン・ブーローニュ《アンフィトリテを海の凱旋車にのせるネプトゥヌス》1706年もしくは1707年か トゥール美術館 / アントワーヌ・コワペル《イダ山のユピテルとユノ》1699年以前 レンヌ美術館
    (左から)フランソワ・ブーシェ《羊飼いのイセに神の姿をみせるアポロン》1750年 トゥール美術館 / フランソワ・ブーシェ《ウェヌスとウルカヌス》1764年頃 ヴェルサイユ宮殿美術館
    ジャン=フランソワ(ジル)・コルソン《休息》1759年 ディジョン美術館
    ユベール・ロベール《カンピドリオの丘の空想的景観》 ヴァランシエンヌ美術館
    (左から)ジョゼフ=デジレ・クーレ《ジェルマンがいないあいだ気を紛らわすリゴレット》1844年 ルーアン美術館 / ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル《オルレアン公フェルディナン=フィリップ、風景の前で》1843年 ヴェルサイユ宮殿美術館
    (左から)ウィリアム・ブグロー《青春とアモル》1877年 オルセー美術館 / ウィリアム・ブグロー《バッカント》1862年 ボルドー美術館
    1983年に「近世フランス絵画展」で開館した、東京富士美術館。ルーヴル美術館の絵画部長だったルネ・ユイグ氏(故人)の協力で実現したこの展覧会以降、東京富士美術館は何度もフランス絵画をテーマにした展覧会を開催するとともに、フランス絵画の収集にも力を注いできました。

    今回は、あらためてフランス絵画の魅力を紹介する展覧会。多くの美術館から名画を集めるとともに、東京富士美術館蔵の代表作も含めて、フランス美術の流れを俯瞰します。



    イタリアとネーデルラントという、ふたつの美術大国の間に位置するフランス。イタリアからは歴史画の叙述性を、北方からは写実的な描写力を取り入れ、17世紀に飛躍的に発展しました。

    近代国家フランスを築いたルイ14世は、1648年に王立絵画彫刻アカデミーを創設。ニコラ・プッサンを理想として、シャルル・ル・ブランを中心に教育が実践されていきした。

    アカデミーの絵画理論として有名なのが、画題の序列。古典文学や聖書を主題にした歴史画が頂点にあり、生命の無い静物画は最も下位に位置付けられました。

    ル・ブランに次ぐ世代になると、色彩を重視する美術観が優勢になっていきます。ロココ美術の登場です。

    アントワーヌ・ヴァトーは、富裕層で流行していた屋外の集いを、演劇の要素を取り入れて表現した「雅宴画」で一斉を風靡。恋や憧れなど、繊細な感情も絵画に取り入れました。

    18世紀末になると、女性画家の活躍も目立つようになります。展覧会メインビジュアルである《ポリニャック公爵夫人》も、女性画家のヴィジェ・ルブランによる作品。彼女はマリー・アントワネットのお気に入りでした。

    官能的なロココ美術には次第に批判が強まり、かわって台頭したのが新古典主義。ダヴィッドやアングルが、19世紀美術の中心を進んでいきます。

    19世紀のアカデミーを代表する画家がウィリアム・ブグローやアレクサンドル・カバネルです。筆使いを残さない、大理石のような肌の表現は、後の時代になると批判的に「ポンピエ」と呼ばれるようになります。

    西洋絵画の保守本流、フランス美術300年の流れを一気に楽しめる展覧会。メインビジュアルを含め3作品は撮影も可能です。東京展の後に、九州と大阪に巡回、会場と会期はこちらです

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年10月3日 ]

    フランス絵画史フランス絵画史

    高階秀爾

    講談社
    ¥ 1,463

     
    会場
    会期
    2019年10月5日(土)~2020年1月19日(日)
    開館時間
    10:00~17:00(受付は30分前まで)
    休館日
    月曜日(祝日の場合は開館。翌火曜日は振替休館)
    住所
    東京都八王子市谷野町492-1
    電話 042-691-4511
    公式サイト http://www.fujibi.or.jp
    料金
    大人 1,300(1,000)円 / 大高生800(700)円 / 中小生 400(300)円 / 未就学児 無料

    ※( )内は各種割引料金(20名以上の団体、65歳以上の方ほか)
    ※土曜日は中小生無料
    ※その他割引については、美術館へお問い合わせください
    展覧会詳細 フランス絵画の精華 ─ 大様式の形成と変容 詳細情報
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