IM
    レポート
    エリック・カール展 The Art of Eric Carle
    世田谷美術館 | 東京都
    知ってました?『はらぺこあおむし』は、日本生まれです
    ぽん! と、たまごからうまれた、ちっぽけなあおむし。1969年にアメリカで出版された『はらぺこあおむし』は、鮮やかな色彩と親しみやすいストーリーで、世界中の子どもたちに愛されています。作者はエリック・カール(1929-)。その魅力に迫る大規模展が世田谷美術館から始まりました。
    (左から)《「つぎのひは また にちようび。」別案原画》1986年 / 《『はらぺこあおむし』関連作品原画》制作年不詳
    (左から時計回りで)《「シカさん、シカさん、なに みているの? ガラガラヘビを みているの。」最終原画》2006年 / 《「ミミズクさん、ミミズクさん、なに みているの? くまの かあさんを みているの。」最終原画》2006年 / 《「ガラガラヘビくん、ガラガラヘビくん、なに みているの? ミミズクを みているの。」最終原画》2006年
    (上から)《「きち・きち・ばたたたた……おはようさん! ばったが くるくる とんできました」最終原画》1989年 / 《ぷくりん ぽこぽこ……やあ どうだい! あわの なかから あわふきむしが ぶくぶくと こえをかけました」最終原画》1989年
    (左上から時計回りで)《「ええ、もちろん キリンの子どもにも かあさんは いるわ。」最終原画》1997年 / 《「ええ、もちろん カンガルーの子どもにも かあさんは いるわ。」最終原画》1997年 / 《「ええ、もちろん ライオンの子どもにも かあさんは いるわ。」最終原画》1996年 / 《「ええ、もちろん いるかの子どもにも かあさん いるわ。」最終原画》1995年
    (左から)《建物》制作年不詳 / 《建物》制作年不詳
    (左から)《「うまさん うまさん、あおい うまさん、なに みてるの?」最終原画》1983年 / 《「くまさん くまさん なに みてるの?」エンドペイパー》1983年
    (左から)《無題 2》1995年 / 《無題 3》1995年 / 《無題 1》1995年
    (左手前)《ねこ》1998年 / (左奥)《さかな》1998年 / (右)《ヤマアラシ》1998年
    報道内覧会に姿を見せた、エリック・カールさん
    エリック・カールは米国・ニューヨーク州生まれ。初期はアート・ディレクターやグラフィック・デザイナーとしてキャリアを重ねていました。

    初めての絵本は、1967年の『くまさん くまさん なに みてるの?』。ビル・マーチン・Jr.が文を書き、カールは挿絵を手掛けました。絵本の成功で自信を深めたカールは、翌年に自作の絵本を出版。さらに次の年に出版されたのが『はらぺこあおむし』です。

    本展には米国・マサチューセッツ州のエリック・カール絵本美術館が協力。代表作の原画をはじめ、素描、ダミーブック、立体作品などで、カールの創作の源泉と拡がりを楽しむ事ができます。

    会場は2部構成。第1部「エリック・カールの世界」では、さらに「動物たちと自然」「旅」「昔話とファンタジー」「家族」という4つの小テーマで、カラフルな絵本の原画が展示されています。


    第1部

    第2部は「エリック・カールの物語」。絵本以外の作品も含めて、カールの世界を深く掘り下げていきます。

    青少年時代をナチス政権下のドイツで過ごしたカール。ナチスは前衛美術に「退廃芸術」というレッテルを貼りましたが、カール少年の才能を見抜いていた美術教師はひそかに前衛美術を見せ、カールはその色彩に強い衝撃を受けました。この体験が、後のカールの創作に繋がったのです。

    カールが特に愛していたのが、前衛画家のフランツ・マルクとパウル・クレー。敬愛する画家との関連がみられる絵本原画も展示されています。

    さらに、カールと日本との関係も紹介されています。世界中で愛されている『はらぺこあおむし』ですが、実は初版は日本で製作されたもの。丸い穴を開けるなど複雑な製本が米国では高額だったため日本で作られたのです。カールは日本を愛し、1985年以来5度の来日を果たしています。


    第2部

    小さな子どもに人気のエリック・カールなので、世田谷美術館も準備万端。2階の講義室を乳幼児休憩室としてご利用いただけます(10時~18時、会期中限定)。「子ども連れで美術館はちょっと…」という方も、ぜひ足を運んでください。

    展覧会は世田谷美術館から全国巡回。京都、岩手、福島と回ります。会場と会期はこちらです。

    なお、世田谷美術館はこの展覧会の後に改修工事のため長期休館となります(2018年1月12日まで)。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年4月21日 ]

    英語でもよめるはらぺこあおむし英語でもよめるはらぺこあおむし

    エリック カール (著)

    偕成社
    ¥ 1,728

    料金一般当日:1,200円 ほか → チケットのお求めはお出かけ前にicon

     
    会場
    会期
    2017年4月22日(土)~7月2日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00~18:00(入場は閉館30分前まで)
    休館日
    毎週月曜日 ※ただし、5月1日(月)は開館。
    住所
    東京都世田谷区砧公園1-2
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    03-5777-8600 (ハローダイヤル)
    公式サイト http://ericcarle2017-18.com/
    料金
    一般 1,200(1,000)円/65歳以上 1,000(800)円/大高生 800(600)円
    /中小生 500(300)円
    ※()内は20名以上の団体料金
    展覧会詳細 「エリック・カール展 The Art of Eric Carle」 詳細情報
    おすすめレポート
    ご招待券プレゼント
    学芸員募集
    歴史的建造物と庭園で働きたい方を募集! [東山旧岸邸]
    静岡県
    阪神甲子園球場職員(歴史館担当) [阪神甲子園球場(兵庫県西宮市、阪神電車「甲子園駅」徒歩3分)]
    兵庫県
    ほまれあ(三条市歴史民俗産業資料館別館)学芸員募集 [ほまれあ(三条市歴史民俗産業資料館別館)]
    新潟県
    KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭2026 サポートスタッフ募集(ボランティア) [京都文化博物館 別館、誉田屋源兵衛 竹院の間、京都市京セラ美術館 別本館 南回廊2階、Ygion、ASPHODEL、嶋臺ギャラリー、出町桝形商店街など [京都府]]
    京都府
    2026.4.1採用 国立新美術館 総務課研究補佐員(広報室)公募(2026年2月2日正午締切) [国立新美術館]
    東京都
    展覧会ランキング
    1
    国立新美術館 | 東京都
    ルーヴル美術館展 ルネサンス
    開催まであと252日
    2026年9月9日(水)〜12月13日(日)
    2
    国立西洋美術館 | 東京都
    オルセー美術館所蔵 印象派ー室内をめぐる物語
    開催中[あと46日]
    2025年10月25日(土)〜2026年2月15日(日)
    3
    森アーツセンターギャラリー | 東京都
    マチュピチュ展
    開催中[あと60日]
    2025年11月22日(土)〜2026年3月1日(日)
    4
    国立科学博物館 | 東京都
    特別展「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」
    開催中[あと54日]
    2025年11月1日(土)〜2026年2月23日(月)
    5
    寺田倉庫G1ビル | 東京都
    ガウディ没後100年公式事業 NAKED meets ガウディ展
    開催まであと10日
    2026年1月10日(土)〜3月15日(日)