《羅漢龍虎》

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羅漢龍虎(部分) 小川芋銭 一双のうち 1935年頃作

桑山美術館


作者の小川芋銭(1868‐1938)は牛久藩(現・茨城県)内に生まれ14歳で洋画を学び、のち新聞社の客員としてスケッチや漫画を制作、大正に入ると漫画から本画へ転向し、院展などに幻想的で詩情あふれる作品を発表しました。
羅漢とは仏教の修行の最高段階の称で、人々から尊敬され供養を受けるに値する聖人で、崇拝の対象として古来より多くの図像が制作されています。
この作品では虎を手なづけ、毒で龍を制すなど羅漢がみせる神通力が絵画化され、本図では龍虎一双のうち虎が配されたものです。


担当者からのコメント

古画に見る厳めしい羅漢図とは異なり、画家独自の解釈と想像で大らかな墨線により猛獣である虎は愛らしく描かれ、張り子の虎を思わせます。
個人的には虎の前足の2本の爪にキュンとします。


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