蝋燭の画家と思っていたが、陽の光の描き方素晴らしい
にじまま
孤高の画家と言われている高嶌野十郎は東京帝大の水産科首席だったそうだが、学生時代の魚類の解剖のスケッチなども展示されていて、デッサン力の高さゆえに画家を目指したのか、若き頃の自画像は厳しい眼光の物ばかり、ゴッホに憧れたというが、静物画はセザンヌを繊細にした感じ、月夜の闇を描きたかったというが、樹々の間から力強く差し込む太陽の光の描き方に感動した。蠟燭の炎の作品はいづれも小品だが不思議と魅せられる。暗い色調が多いが、風景画が思いのほか明るく、楽しんで描いたように感じられた。