筑前窯の里が生んだ鉄の芸術

    特別展「芦屋釜の名品」

    細見美術館 | 京都府

     芦屋釜は、茶の湯釜として最も古い歴史を誇る。釜肌には浜松図をはじめ、霰や亀甲文のほか、躍動美にあふれる馬や鹿などの文様が表現され大きな特徴となっている。芦屋釜は、栃木県佐野市の「天明釜」と並び、その存在は現在に至るまでつとに知られ、重要文化財に指定されている9点の茶の湯釜の内、8点までが芦屋釜である。  五島美術館と細見美術館が共同企画した今回の展覧会では、重要文化財7点を含む芦屋釜約50点を集めたほか、参考として越前芦屋・伊勢芦屋の作品、鉄風炉、下絵などを加えた。ここでは、とくに芦屋釜を、作り手ではなく使う側、鑑賞・研究する立場から見直そうとするものである。ことに平成20年に開館10周年を迎える細見美術館は、そのコレクションの礎を築いた初代細見古香庵(1901-79)が、芦屋釜の蒐集・研究に大変な情熱を傾け、新しい茶の湯釜の研究と美術品としての周知・普及に多大な功績を残した。この展覧会を機にさらなる美術館活動の歩みをはじめようとするものである。  茶会を開くことを「釜を掛ける」というほど、釜は茶の湯道具のなかでも茶席の中で主人に変わるものとして重要なものでありながら、分類、生産地、制作年代、制作技術などの、金工品として美術史・工芸史・金工史および茶道史からの研究が必ずしも進んでいるとはいえない。そこで本展では名品を多く集め、生産地から近年の発掘成果を踏まえた考古学、美術史、茶道史のそれぞれの視点、芦屋釜を知るうえでの基本と茶道具としての魅力を再確認しようと試みた。芦屋釜がすぐれた鉄の芸術品であることを、本展の開催によりあらためて広く伝えようとするものである。
    会期
    2008年1月2日(水)〜2月11日(月)
    会期終了
    開館時間
    美術館・ショップ 10:00~18:00
    茶室(不定休) 11:00~17:00
    カフェ 10:30~18:00
    料金
    一般1000円(800円)、学生800円(600円) ※20名以上の団体料金
    休館日 毎週月曜日(祝日の場合、翌日)
    会場
    細見美術館
    住所
    〒606-8342 京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
    075-752-5555
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