中庭展示 Vol.15 「磯崎道佳　世界には塵ひとつない」

「中庭展示−Court Installation」は、当館の中庭展示スペースにおいて、インスタレーションを紹介するシリーズです。第15回目の今回は、美術家・磯崎道佳（1968〜）の作品を紹介します。 本展では、人の形を彷彿とさせる巨大なホウキが台座の上に設置されます。 開催にあたり磯崎は、「社会の歪みを検証するひとつの試み」として、「立派な台座に、ばかばかしいほど大きなホウキを彫像のように展示したい」と語っています。 その背景には、公共空間における記念碑的な肖像彫刻などに多く見受けられる、台座という高みから見下ろす視点に潜んでいる権力者側の力の誇示に対する批判精神があったといいます。 本展は、風にたなびく枝やビニール袋を中庭の屋上に設置し、それらとホウキを結びつけることで、「ダンス＝掃除」をおこなわせるというユニークなプランが下敷きになっています。 現代社会のあり方に対する深い思索とユーモアに満ちた磯崎の作品にふれてみてください。