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維新の洋画家 川村清雄

■‘日本風洋画’を探求した、知られざる巨匠
【会期終了】 川村清雄(かわむらきよお)の名前を聞いてピンと来る方は、よっぽどの美術ツウ。明治初期に留学して油彩を学んだものの、帰国後の日本洋画壇の潮流から外れ、次第に忘れられていった「知られざる巨匠」、18年ぶりの回顧展が江戸東京博物館で開催中です。
幕末に旗本の家に生まれた川村清雄。維新後の徳川家の派遣留学生として、明治4年に渡米します。目的は政治や法律の習得でしたが、画才を見出された清雄は絵画修行に転進。その後パリ、ヴェネチアに移り、油彩画を学びます。

維新後の徳川家の後見役は大久保一翁(いちおう)と勝海舟でした。特に海舟と清雄の親交は深く、海舟は「私の隠し子だ」と冗談を言うほど可愛がったといいます。


《江戸城明渡の帰途(勝海舟江戸開城図)》

清雄は明治14年に帰国。海舟は清雄のために自邸内に画室を建てて、その画業を支援しました。

清雄は海舟の仲介で海軍将校の肖像画や海戦図などを制作。また、歴代将軍像を油彩で描くという、旧幕臣にとって栄誉ある仕事も手がけています。


歴代将軍像。14代将軍家茂、13代将軍家定、8代将軍吉宗の順。

清雄の洋画は背景に金銀箔を用いたり、古来から伝わる文様を使ったりと、日本風の感覚を融合させた作品が目立ちます。

イタリアで学びながらも日本的な感性を大事にしていた清雄ですが、当時はフランス帰りの黒田清輝らの勢力が強まっていた時代。また日本画と洋画の区分も進み、清雄は傍流となっていきます。

次第に展覧会や美術教育からも離れ、画壇から忘れられた存在となってしまいました。


会場

展覧会のメインビジュアルになっている《建国》は、清雄の晩年の傑作です。来日していたフランス人学者が清雄の作品に感激し、パリの美術館に収める絵を依頼したもので、今回が初めての里帰りとなります。

剣、鏡、勾玉の中央で、鶏が暁を告げている寓意的な絵ですが、題材は天岩戸の神話です。背景は金地、支持体は絹本と、まさに日本風の洋画を追求していた清雄ならではの作品といえます。


《建国》

歴史的な影響を大きく受けた作家のため、美術展にも関わらず歴史資料が多い本展について、担当の落合則子学芸員は「歴史と美術のハイブリッド展で、まるで‘大河ドラマ展’のよう」と説明していました(江戸東京博物館では大河ドラマにちなんだ企画展を毎年行っています)。

日本洋画の先駆者として充分な力量を持ちながらも、時代の流れの中で忘れられつつある巨匠。逆に大河ドラマの主役として推薦したいと思いました。(取材:2012年10月9日)

福沢諭吉を描いた絵師―川村清雄伝

林 えり子 (著)

慶應義塾大学出版会
¥ 2,520

料金一般当日:1,300円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

 
会場江戸東京博物館
開催期間2012年10月8日(月)~12月2日(日)
所在地 東京都墨田区横網1-4-1
TEL : 03-3626-9974(代表)
HP : http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
展覧会詳細へ 維新の洋画家 川村清雄 詳細情報
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