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    レポート
    没後10年 ロバート・ハインデル展
    そごう美術館(横浜駅東口 そごう横浜店 6階) | 神奈川県
    ダンサーの本質に迫る“現代のドガ”
    英国ロイヤルバレエ団など著名なバレエ団を題材に、ダンサーを描き続けたロバート・ハインデル(1938-2005)。没後10年を記念した企画展がそごう美術館で開催中です。
    (左から)《ホワイト・オン・ホワイト・オン・ブラック》 / 《影》
    (左から)《グレート パフォーマー ~ エリーザベト・シュヴァルツコップ》 / 《グレート パフォーマー ~ ロストロポーヴィチ》
    (左から)《ヴィクトリア ─ ザ ホワイト キャット》 / 《ホワイト キャット》
    (左から)《夜明け》 / 《ダンサー・イン・ブラック・オン・ブラック》
    (左から)《カラー リリー #1》 / 《ファン・ハウス》 / 《無題 『ランド』より》
    (左から)《レッド ヘディッド ダンサー》 / 《飛び跳ねるダンサー》
    (左から)《ダークネス&ライト》 / 《高円宮殿下のための素描》
    (左から)《『クレオパトラ』より》 / 《素描 モンテカルロ ダンサー》
    (左から)《ミヤコ MYー1》 / 《眠りのなかで DMー5》
    ロバート・ハインデルはアメリカ・オハイオ州出身。躍動的なダンサーを描いた絵画は、ダイアナ元妃や高円宮殿下などにも愛されました。

    展覧会は初期から晩年まで100点余りの作品で、その画業を振り返る企画。最初は日本初公開のイラストレーションからです。

    ハインデルはファイン・アーティストになる前にはイラストの分野で活躍していました。「タイム」誌や「スポーツ・イラストレイテッド」誌などを手掛けていたハインデルは「ドローイングは正直でごまかしがきかない」と言いますが、その描線は自信に満ち溢れています。


    イラストレーション

    ハインデルがバレエと関わりを持ったのは、ちょっとした偶然でした。

    1962年に、当時働いていたデザイン事務所の上司から「クライアントが行けなくなったから」という理由でバレエのチケットを入手。「テクニックをはるかに超えるオーラ」を見出したハインデルは、たちまちバレエの虜になりました。

    世界中の著名なバレエ団の公演前リハーサルを取材したハインデル。真摯にレッスンに打ち込むダンサーの姿を目に焼き付けて、自らの作品としていきました。

    ハインデルは、華やかな舞台の上のダンサーは殆ど描きませんでした。重圧の中で苦しみながらも、肉体の限界まで表現を追求するダンサー。その内面まで深く切り込むような描写で、ダンサーの本質に近づいていきます。


    華やかだけでは無い、ダンサーの本質に迫ります

    会場半ばからは、日本と関わりのある作品も紹介されています。

    ハインデル作品のコレクターのひとりが、高円宮憲仁親王。高円宮は日本のバレエやコンテンポラリー・ダンスに明るく、1988年の第3回青山バレエ・フェスティバルでハインデルを知り、93年の展覧会ではじめて作品を観覧されました。

    高円宮の案内により、ハインデルは日本のダンサーも取材。森下洋子、佐々木想美、草刈民代、下村由利恵、吉田都、熊川哲也、白川直子、平山素子らを描いています。


    日本のダンサーを描いた作品群

    西洋の舞台芸術であるバレエだけではなく、東洋の舞台芸術にも興味を持っていたハインデル。1993年の来日時に能舞台の稽古を取材。歌舞伎ついては94年に高円宮から講義を受け、96年には歌舞伎座で観劇。同時に講演前の取材も行っています。

    「時間を超越した声と演技」に感動したというハインデルは、能と歌舞伎を題材にした作品を20点ずつ描いています。


    能と歌舞伎を題材にした作品

    展覧会ではトゥシューズのモチーフを美術館受付で提示すればポストカードをプレゼントするドレスコード特典も実施中。アクセサリーはもちろん、本物のトゥシューズでも可です(※景品が無くなり次第終了となります)。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2015年7月3日 ]

    作品は全て © Robert Heindel

    人間賛歌 ロバート・ハインデルの至芸人間賛歌 ロバート・ハインデルの至芸

    ロバート・ハインデル (著)

    シングルカット
    ¥ 5,400

     
    会場
    会期
    2015年7月4日(土)~7月26日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00~20:00(入館は閉館の30分前まで)
    ※そごう横浜店の営業時間に準じる
    休館日
    そごう横浜店の休業日に準じる
    住所
    神奈川県横浜市西区高島2-18-1
    電話 045-465-5515
    公式サイト http://www.sogo-gogo.com/museum/
    料金
    大人1,000円(800円)、大学・高校生800円(600円)、中学生以下無料
    ※消費税含む。
    ※( )内は前売および20名さま以上の団体料金。
    ※障害者手帳をお持ちの方、およびご同伴者1名さまは( )内の料金にて
     ご入館いただけます。
    展覧会詳細 没後10年 ロバート・ハインデル展 詳細情報
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