インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  江戸の悪 PARTⅡ

江戸の悪 PARTⅡ

■悪を愛するわたしたち
【会期終了】 2015年6月に開催された「江戸の悪」展。特別展ではなく通常の企画展でしたが、通常企画展では過去最高の動員に。展覧会が終わってからも反響は続き、後から図録が一般書籍として発売されるなど、異例づくしの展開となりました。満を持して3年ぶりに復活、総数2.5倍のパワーアップ版です。
改めて「悪」に対する関心の高さが証明されたといえる前回展。今回も極悪非道の面々が、太田記念美術館に揃いました。

会場は4章立てですが、1章「悪人大集合」がメイン。さらに1章は 1.盗賊、2.侠客、3.浪人、4.悪僧・悪の医者、5.悪の権力者・悪臣、6.悪女・女伊達、7.悪の妖術使いに分け、会場1~2階で紹介されます。

2章「恋と悪」と3章「善と悪のはざま」が会場地下、4章「言葉としての悪」は2階です。

冒頭の畳のコーナーは、章を超えたダイジェスト展示。歌川国芳《相馬の古内裏》は「がしゃどくろ」として知られますが、左にいる滝夜叉姫が悪人。妖術で骸骨を出し、国家転覆を目論むこの女は、平将門の娘とされる伝説の妖術使いです。


会場 1階

個性的な悪人は、庶民の娯楽だった歌舞伎に欠かせない存在でした。悪役の役者絵を見ると、主役と対峙する構成だけでなく、悪役だけを描いた役者絵も数多く作られているなど、人々は悪を求めていた事が分かります。

「悪役の役者絵」という事なら、ぜひ覚えていただきたいのが、五代目松本幸四郎。目つきが鋭くて鼻が高く「鼻高幸四郎」と呼ばれた五代目幸四郎は、悪役を演じれば天下一品。多くの浮世絵師が、その個性的な風貌を描きました。

「言葉としての悪」では、善と悪の戦いなど。心の中で善と悪が争うという表現は、現代のマンガやアニメなどでもしばしば見られます。後期展示では、悪玉が主人公を吉原まで連れていく作品も。いつの時代も、男は色街に弱いものです。


会場 2階

「恋と悪」の代表格は、八百屋お七。火事の避難先で出会った小姓と恋仲になり、もう一度会いたいと願うあまり放火の大罪を犯し、火炙りの刑に。悲しい悪女といえるでしょう。

侮辱を受け続けた善人が、我慢の限界を超えて殺人鬼になるのも、歌舞伎にしばしば見られるパターン。逆に、悪人が最期に善行をして死んでいく例もあります。善と悪は対立構造ではなく、表裏一体の関係にあります。


会場 地下

現在でも某大臣、某理財局長、某大学の監督など、「悪」とされた人がテレビや週刊誌には次々に登場します。悪が絶えないのではなく、悪を求める心が絶えないのかもしれません。

展覧会の関連事業として、太田記念美術館をはじめとした都内7施設で「悪」をテーマにした展覧会やイベントが開催されています(東洋文庫ミュージアム、國學院大學博物館、ヴァニラ画廊、国立劇場伝統芸能情報館、国立演芸場演芸資料展示室、銀座 蔦屋書店)。相互割引もありますので、詳細は公式サイトでご確認ください。

※展覧会は前後期で全点が展示替えされます。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年6月1日 ]

江戸の悪江戸の悪

渡邉晃 (著)

青幻舎
¥ 1,620


■江戸の悪 PARTⅡ に関するツイート


 
会場太田記念美術館
開催期間2018年6月2日(土)~7月29日(日)
所在地 東京都渋谷区神宮前1-10-10
TEL : 03-5777-8600
HP : http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/special/2018/edonoaku/
展覧会詳細へ 江戸の悪 PARTⅡ 詳細情報
取材レポート
上野の森美術館「フェルメール展」
フェルメール展
東京都美術館「ムンク展 ― 共鳴する魂の叫び」
ムンク展
国立西洋美術館「ルーベンス展 ─ バロックの誕生」
ルーベンス展
国立新美術館「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」
ピエール・ボナール
東京国立博物館「マルセル・デュシャンと日本美術」
M・デュシャン
岡田美術館「開館5周年記念展 美のスターたち ―光琳・若冲・北斎・汝窯など名品勢ぞろい―」
美のスターたち
21_21 DESIGN SIGHT「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」
「民藝」展
太田記念美術館「花魁ファッション」
花魁ファッション
山口県立美術館「没後400年 雲谷等顔展」
雲谷等顔展
国立新美術館「生誕110年 東山魁夷展」
東山魁夷展
京都国立博物館「特別展「京のかたな 匠のわざと雅のこころ」」
京のかたな
東京国立博物館「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」
京都 大報恩寺
森美術館「カタストロフと美術のちから展」
カタストロフと美術
国立歴史民俗博物館「日本の中世文書 ― 機能と形と国際比較 ―」
日本の中世文書
三井記念美術館「特別展「仏像の姿」~ 微笑む・飾る・踊る~」
「仏像の姿」
東京国立博物館「特別企画 斉白石」
斉白石
国立西洋美術館「ルーベンス展 ― バロックの誕生」
[エリアレポート]
ルーベンス展
上野の森美術館「フェルメール展」
[エリアレポート]
フェルメール展
大阪市立美術館「ルーヴル美術館展 肖像芸術 ――人は人をどう表現してきたか」
[エリアレポート]
ルーヴル美術館展
東京都庭園美術館「エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し」
[エリアレポート]
アール・デコと異境
水戸芸術館現代美術ギャラリー「霧の抵抗 中谷芙二子」
[エリアレポート]
霧の抵抗
東京都写真美術館「建築 × 写真 ここのみに在る光」
[エリアレポート]
建築 × 写真
MIHO MUSEUM「百の手すさび 近代の茶筅と数寄者往来」
[エリアレポート]
百の手すさび
国立科学博物館「明治150年記念 日本を変えた千の技術博」
[エリアレポート]
千の技術博
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2019年の展覧会予定(東京近郊・大阪近郊) 博物館・美術館の情報
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
生誕110年 東山魁夷展 フェルメール展 ルーベンス展 ー バロックの誕生 没後50年 藤田嗣治展
ムンク展―共鳴する魂の叫び フェルメール展 江戸絵画の文雅 ―魅惑の18世紀 国立ロシア美術館所蔵 ロシア絵画の至宝展
博物館・美術館検索
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018、グランプリは
「雷切丸くん」 でした
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「犬」
グランプリは 《萱草遊狗図》 でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2018 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社