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レポート
企画展示「日本の中世文書 ― 機能と形と国際比較 ―」
国立歴史民俗博物館 | 千葉県
「くずし字」が読めなくても大丈夫です
古文書と聞くと「くずし字」の読解が必須で、鑑賞が難しいとされがち。読めないからと諦める前に、国立歴史民俗博物館へ。古文書の「かたち」に焦点を当て、くずし字が読めなくても楽しめる、ユニークな古文書展が開催中です。
(左から)《足利直義袖判御教書》 反町茂雄旧蔵典籍古文書 貞和3(1347)年 / 《足利直義御判御教書》反町茂雄旧蔵典籍古文書 建武4(1337)年 いずれも国立歴史民俗博物館蔵
(左から)《足利尊氏御判御教書》 越前島津家文書 第二巻 観応2(1351)年 / 《足利尊氏袖判下文》 越前島津家文書 第二巻 観応2(1351)年 いずれも国立歴史民俗博物館蔵
《民首田次麻呂解(近江国愛智郡懇田売券)》延暦15(796)年 国立歴史民俗博物館蔵 (展示期間:10/16~11/11)
《明阿弥陀仏屋地寄進状》田中穣氏旧蔵典籍古文書(近衛油小路地寄進及沽却文書) 貞治5(1366)年 国立歴史民俗博物館蔵
(左から)《後柏原天皇綸旨》 広橋家旧蔵記録文書典籍類 ((永正18=大永元(1521))年 / 《後土御門天皇綸旨》 広橋家旧蔵記録文書典籍類( 文明14(1482))年 いずれも国立歴史民俗博物館蔵
《後土御門天皇自筆書状》 (文明12(1480))年 国立歴史民俗博物館蔵
《真田昌幸書状》 平沼伊兵衛収集文書 16世紀末 国立歴史民俗博物館蔵
(左から)《石田三成掟書》 平沼伊兵衛収集文書 天正17(1589)年 / 《花押鑑『加夫良能比々起』》 田中穣氏旧蔵典籍古文書 17世紀頃 いずれも国立歴史民俗博物館蔵
政治や社会のあり方が大きく変わった、日本の中世期。それに合わせ、文書のかたちも大きく変化していきました。本展では、捺印の位置や、紙の大きさなど中世文書の「かたち」に焦点を当てて紹介します。なので、くずし字辞典は必要ありません。

展覧会では古代から近現代の文書、約260点を6章に分け展示(4期に渡り展示替え有り)。5年前の「中世の古文書」展の展示数、約220点を上回り、最大規模の総合的な古文書展となります。

展示内容も「国際比較」を加えて、パワーアップ。日本と比較しやすい韓国の文書や、中国、琉球、ベトナムなどの東アジアの文書、中東のイランの文書を展示。アジアから俯瞰することで、日本の文書の特徴を考えます。

会場入口には、高画質のタッチパネル解説が設置。読み上げ機能付きです。文字をタッチすると、くずし字の横に活字が表記。クイズ感覚で読解が楽しめます。



展覧会は、歴史ファンも必見。羽柴(豊臣)秀吉や伊達政宗などの「花押」が押された書状も展示されています。花押とは、署名の代わりに描いた記号の一種。伊達政宗の花押は、セキレイを模したもの。大名により、花押のかたちはさまざまです。

後世に伝わった文書は、古筆への関心から、切り刻んでまとめられることもありました。そのうち、花押を集めたものは「花押鑑」と呼ばれます。

会場には戦国末期から江戸時代初期の武士の花押を集めた「花押鑑」が紹介されています。誰の花押なのかと考えながら、鑑賞してみては。

展覧会最後には、有名大名の花押スタンプコーナーも。書状を模した専用用紙もありますので、戦国大名になった気分で押してみてはいかがでしょうか。

[ 取材・撮影・文:静居絵里菜 / 2018年10月15日 ]

歴史研究の最前線〈Vol.8〉史料の新しい可能性をさぐる歴史研究の最前線〈Vol.8〉史料の新しい可能性をさぐる

高橋 一樹(編集)

総研大日本歴史研究専攻国立歴史民俗博物館
¥ 800

 
会場
会期
2018年10月16日(火)~12月9日(日)
会期終了
開館時間
9:30~17:00(入館は16:30まで) (3~9月)
9:30~16:30(入館は16:00まで) (10~2月)
休館日
月曜日(ただし、月曜日が休日の場合は開館、翌日休館)
住所
千葉県佐倉市城内町117番地
電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト http://www.rekihaku.ac.jp
料金
一般 830(560)円 / 高校生・大学生(要証明) 450(250)円 / 小・中学生 無料

※( )内は20名以上の団体料金
※総合展示もあわせてご覧になれます
※毎週土曜日は、高校生の入館が無料
※障がい者手帳等保持者は手帳提示により、介助者とともに入館が無料
展覧会詳細 企画展示「日本の中世文書 ― 機能と形と国際比較 ―」 詳細情報
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