インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  生誕250年記念 歌川豊国 ― 写楽を超えた男

生誕250年記念 歌川豊国 ― 写楽を超えた男

■国芳も国貞も、彼がいたからこそ
【会期終了】 幕末の浮世絵界で最大の勢力を誇った、歌川派。その歌川派隆盛の礎になったのが、初代歌川豊国(1769〜1825)です。生誕250年を記念する展覧会が、太田記念美術館で始まりました。
近年は人気沸騰といえる歌川国芳や、役者絵で絶大な支持を集めた歌川国貞(三代豊国)。彼らを育てたのが初代豊国です。

それほどの浮世絵師でありながら、近代になって評価が確立した東洲斎写楽と比べると、やや分が悪い豊国。意外にも、全体像を俯瞰した展覧会は開かれていませんでした。

今回は役者絵、美人画、戯画、版本など、画業全般を幅広く紹介します。

会場の畳のスペースは、例によって肉筆画。豊国の画業の中心は錦絵や版本ですが、少なからず質の高い肉筆画も描いています。今回は6点を展示、豊国が得意とした役者絵の肉筆画もあります。

豊国は10代半ばで歌川豊春に入門しました。初期の美人画を見ると、鳥居清長や北尾派などいろいろな画風の影響を受けており、安定しません。歌麿風を基調とした独自の表現が見られるのは、寛政4〜5年(1792〜1793)頃からです。



豊国をスターダムに押し上げたのは、「役者舞台之姿絵」シリーズです。鼠潰しの背景に見得の瞬間を巧みに描き、大評判となりました。版元は芝の和泉屋市兵衛と、どちらかといえば中堅業者ですが、これに対抗したのが超大手出版社である日本橋の蔦屋重三郎。写楽に描かせた黒雲母摺の大首絵は、完全に豊国を意識したシリーズです。

両者の争いに大ベテランの勝川春英も加わり、三つ巴の役者絵対決になりましたが、デフォルメし過ぎの写楽は不人気、春英も後に役者絵から撤退し、最終的な勝者は豊国でした。

文化期(1804〜18)には、読本や合巻の挿絵も手がけるようになります。別の浮世絵師から豊国に挿絵が変わると評判になるなど、実力を存分に発揮。特に文化前期には、北斎と競うほどの人気を誇っていました。

豊国の一番弟子といえる国貞は、真面目な正統派。一方、武者や戯画で知られる国芳は、かなり破天荒な人物でした。どちらとも上手く付き合い、それぞれの個性を活かした浮世絵師として育てあげた力量は、豊国ならではの懐の深さといえるでしょう。

なお、太田記念美術館では「秋の歌川派フェスタ」と銘打ち、歌川派の展覧会を三連続で開催。本展は第1弾で、第2弾「歌川国芳 ―父の画業と娘たち」(10/4~10/27)、第3弾「ラスト・ウキヨエ 浮世絵を継ぐ者たち ―悳俊彦コレクション」(11/2~12/22)と続きます。

3つの展覧会を制覇するとオリジナルグッズをプレゼント! まずは本展から挑戦してください。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年9月2日 ]

ようこそ浮世絵の世界へ 英訳付ようこそ浮世絵の世界へ 英訳付

日野原 健司 (著), 太田記念美術館 (監修)

東京美術
¥ 2,160

 
会場太田記念美術館
開催期間2019年9月3日(火)~9月29日(日)
所在地 東京都渋谷区神宮前1-10-10
TEL : 03-5777-8600
HP : http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/
展覧会詳細へ 生誕250年記念 歌川豊国 ― 写楽を超えた男 詳細情報
取材レポート
府中市美術館「青木野枝 霧と鉄と山と」'
青木野枝
東京国立博物館「出雲と大和」'
出雲と大和
弥生美術館「もうひとつの歌川派?! 国芳・芳年・年英・英朋・朋世」'
もうひとつの歌川派
東京都現代美術館「ミナ
皆川明
明治神宮ミュージアム「天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展」'
明治神宮M. 開館
渋谷区立松濤美術館「パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華 サラ・ベルナールの世界展」'
サラベルナール
国立西洋美術館「ハプスブルク展
ハプスブルク展
三井記念美術館「国宝
明治天皇への献茶
東京ステーションギャラリー「坂田一男
坂田一男
出光美術館
やきもの入門
東京国立近代美術館「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」'
窓展
岡田美術館「DOKI土器!土偶に青銅器展
DOKI土器!
国立新美術館「ブダペスト
ブダペスト
東京国立博物館
人、神、自然
根津美術館「〈対〉で見る絵画」'
〈対〉で見る絵画
エリアレポート 京都国立近代美術館「記憶と空間の造形 イタリア現代陶芸の巨匠 ニーノ・カルーソ」
[エリアレポート]
ニーノ・カルーソ
エリアレポート 名古屋市美術館「没後90年記念 岸田劉生展」
[エリアレポート]
岸田劉生
エリアレポート 愛知県美術館「コートールド美術館展 魅惑の印象派」
[エリアレポート]
コートールド
エリアレポート 大阪市立東洋陶磁美術館「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション」
[エリアレポート]
竹工芸名品展
エリアレポート 中之島香雪美術館 「上方界隈、絵師済々 Ⅰ」
[エリアレポート]
上方界隈、絵師済々
エリアレポート パナソニック汐留美術館 「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」
[エリアレポート]
暮らしの夢
エリアレポート 岐阜県現代陶芸美術館「小村雪岱スタイル 江戸の粋から東京モダンヘ」
[エリアレポート]
小村雪岱
エリアレポート 三鷹市美術ギャラリー「壁に世界をみる ― 吉田穂高展」
[エリアレポート]
吉田穂高
エリアレポート 豊田市美術館「岡﨑乾二郎 ー 視覚のカイソウ」
[エリアレポート]
岡﨑乾二郎
エリアレポート 国立西洋美術館「ハプスブルク展 ー 600年にわたる帝国コレクションの歴史」
[エリアレポート]
ハプスブルク
エリアレポート 半蔵門ミュージアム 「復元された古代の音」
[エリアレポート]
古代の音
エリアレポート 小泉八雲記念館「ハーンを慕った二人のアメリカ人」
[エリアレポート]
小泉八雲
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ゴッホ展 ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて 日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」
天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展 利休のかたち 継承されるデザインと心 デザインあ展 in SHIGA 千手千足観音立像 高月町西野 正妙寺
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「鼠」
グランプリは《大根喰う(大黒)》でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2020 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社