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レポート
プライベート・ユートピア ここだけの場所
東京ステーションギャラリー | 東京都
ブリティッシュ・カウンシル所蔵の現代美術
1934年に創設されたブリティッシュ・カウンシル。英国と諸外国との文化交流を促進する組織ですが、英国最大級の近現代美術コレクションを所蔵していることはあまり知られていません。
(左)デイヴィッド・シュリグリー《アイム・デッド》
(右から)《ヒオドシ蝶、シータテハ蝶の幼虫、砂糖による自画像》《エビガラスズメ蛾、エビガラスズメ蛾の幼虫、シェービング・フォームによる自画像》《カゲロウ、その亜成虫(エフェメロプテラ)、小麦粉と水による自画像》
グレイソン・ペリー《ペニアン人の村》
マイク・ネルソン《ブラック・アート・バーベキュー、サン・アントニオ、1961年8月》
(左)サラ・ルーカス《セルフ・ポートレート1990-1998》 / トレイシー・エミン《なにか変》
(左から)エド・ホール《ブリティッシュ・カウンシル・コレクション・バナー(コンテンポラリー・アート・バージョン)》《ブリティッシュ・カウンシル・コレクション・バナー(モダン・アート・バージョン)》
ギャリ―・ヒュームの作品
ジェレミー・デラー《あなたを傷つける様々な方法(エイドリアン・ストリートの人生と時代)》
ジェイク・アンド・ディノス・チャップマン《私の大きな塗り絵の本》
英国の美術を世界に紹介するために、創立の翌年から作品の収集を始めたブリティッシュ・カウンシル。現在では絵画や彫刻、映像、インスタレーションなど、約9,000点の作品を所蔵しています。

常に所蔵作品の半数以上を世界各国の展覧会の会場か、各地のブリティッシュ・カウンシルのオフィス内で展示するなど、専用のミュージアムこそありませんが、組織は美術館そのもの。本展はそのコレクションを初めて日本で大々的に紹介する企画で、作家28名、126点の作品が展示されました。


会場

東京ステーションギャラリーでの展示は「昔々あるところに…」「見たことのない景色の中で」「わたしの在り処」「ちょっと拝借」「喜劇と悲劇の幕間に」の構成。90年代以降に制作された作品が並びます。

《ペニアン人の村》は伝統的な形の壺ですが、十字架像があるべきところに描かれているのは男性自身。「趣味が良い」という一般的な価値観への異議を唱えたものです。

作者はグレイソン・ペリー(Grayson Perry 1960-)。2003年にターナー賞を、2013年には名誉大英勲章CBEを受章しています。


グレイソン・ペリー《ペニアン人の村》

「I'm DEAD(私、死んでいます)」の立札を持つ、剥製の犬の作品《アイム・デッド》は、デイヴィッド・シュリグリー(David Shrigley 1968-)によるもの。2013年のターナー賞にノミネートされました。

小さな人体が並んだ《死者と死にゆく人》も死を題材にした作品ですが、どことなくコミカル。壁面の写真やドローイングにも、英国人らしいユーモアが盛り込まれています。


デイヴィッド・シュリグリーの《アイム・デッド》《死者と死にゆく人》など

作品点数が多いこともあって、いつもは東京ステーションギャラリーの所蔵品が展示されているスペースも使って開催されている本展。現代美術にありがちな難解な作品は少なく、作者の意図が分かりやすい作品が多いのも特徴的です。

28名中の出展作家の中で、17名がターナー賞のノミネート・受賞者という豪華な展覧会。「英国現代美術館のいま」を、感じてください。

なお、本展は東京展の後に、伊丹市立美術館/伊丹市工芸センター(4/12~5/25)、高知県立美術館(11/2~12/23)、岡山県立美術館(2015年1/9~2/22)に巡回します。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年1月17日 ]

現代アーティスト事典 クーンズ、ハースト、村上隆まで

美術手帖編集部 (編集)

美術出版社
¥ 2,940

 
会場
会期
2014年1月18日(土)~3月9日(日)
会期終了
開館時間
10:00~18:00
※金曜日は20:00まで
※入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜日休館
住所
東京都千代田区丸ノ内1-9-1 東京駅丸ノ内北口
電話 03-3212-2485
公式サイト http://www.ejrcf.or.jp/gallery/
料金
一般 900円/高校・大学生 700円/小・中学生 400円
※20名以上の団体は100円引
※障がい者手帳をお持ちの方は100円引き、その介添者1名は無料
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