KYOTOGRAPHIE(キョウトグラフィー)京都国際写真祭 2019が開催されています。
京都を舞台に、4月から5月にかけ1カ月にわたり開かれる写真祭。2013年に始まり、今回が7回目となります。
近代建築や町屋、寺院などの11か所が展示会場となっています。いくつかの会場を回ってみました。
〈京都文化博物館 別館〉 アルバート・ワトソン「Wild」
京都文化博物館の別館では、アルバート・ワトソンという、スコットランド出身の写真家による作品が展示されています。
坂本龍一の写真が、展覧会の広告にも使われています。
映画「ラスト・エンペラー」(1987年)の音楽で、アカデミー賞などを受賞した翌々年に撮影されたものです。
写真家からの細かい指示がなくても、ポーズや表情で自分を表現することができる人だったようです。
会場の1階では、天井の高い空間に肖像や風景などの写真が展示されています。
明治時代に建てられ、かつては銀行として使われていたというこの建物自体が文化財です。
2階も展示会場となっています。
手前の本は、アルバート・ワトソンの作品集です。このとき開いていたページには歌手のデヴィット・ボウイ。
奥のスクリーンにはアップルの創業者、スティーブ・ジョブズが映し出されています。
多くの著名人を撮ったアルバート・ワトソンですが、著名人だけではなく、無名の人も、草木も、人の体も、意志をもつ存在として写し出されているように見えます。
京都文化博物館 別館の展示は10時~19時、5月12日(日)まで。5月7日(火)は休館です(展示時間や休館日は会場により異なります)。
〈両足院〉アルフレート・エールハルト「自然の形態美 ― バウハウス100周年記念展」
この写真祭の展示会場はいくつかのエリアにわかれていて、祇園にある建仁寺の塔頭(たっちゅう)、両足院(りょうそくいん)でも展示が行われています。
庭に向かって大きく開かれた空間に、海や、砂漠の模様のような写真が並んでいます。
アルフレート・エールハルトという、ドイツ出身の作家による作品です。
展示タイトルにあるバウハウスとはドイツに設立された美術学校の名で、エールハルトもここで学びました。
貝やカイメン、サンゴなど、海の生物の写真が多く展示されています。
自然のつくりだす形に魅了された人だったようです。
この会場には2回訪れました。
1回目は晴れ、2回目は曇りの日。
面白かったのは、天気によって作品の印象がちがって見えたことです。
もちろん晴れの日も気持ち良いですが、海の生物が多く展示されていたためか、雨の降り出しそうな水気の多い日は、作品がより生き生きしているように感じました。
天気によって見え方が変わるのは、建物の外の自然と一体になった展示ならではの面白さかもしれません。
両足院の展示は10時~17時、5月12日(日)まで。5月9日(木)は休館です。
この写真祭では、毎回テーマとなる言葉が掲げられています。
今年のテーマは“VIBE(ヴァイブ)”というもので、「振動」という意味の言葉(vibration ヴァイブレーション)がもとになっています。
人や風景と出逢ったときにわきあがる感覚、何かが響き合うような感じ‥
いろいろな“VIBE”、心や体に響く何かが、あちこちの会場で感じられるのではないかと思います。
エリアレポーターのご紹介
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tomokoy
京阪神を中心に、気になる展示をぷらぷら見に出かけています。
「こんな見方も有りか」という感じでご覧いただければと思います。
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