1926年(大正15年)、安野光雅は島根県津和野町に生まれました。画家になるのが少年の頃からの夢だった安野は、23歳で上京し、美術教員のかたわら本の装幀などを手がけます。
42歳のときに出版した「ふしぎなえ」は絵本作家としてのデビュー作になりますが、現実にはありえない構造の図形を描いた、文章のない不思議な絵本は、世界の注目を集めました。
以来、2020年(令和2年)12月に亡くなるまで半世紀以上にわたり画家、絵本作家、装幀家、エッセイストとして多彩な活躍を続け、国内外の数々の賞を受賞しました。
本展では、津和野町立安野光雅美術館のコレクションより、1960~70年代の「ふしぎなえ」「さかさま」「ふしぎな さーかす」や、2004年から4年の歳月をかけて中国をスケッチ旅行し完成した大作「繪本 三國志」など、初期から晩年までの代表的な作品を展示し、やさしく、美しく、ユーモアと不思議にあふれた安野ワールドをご覧いただきます。さらに、展覧会の最後の章では、安野が手がけた井上ひさしの本の表紙原画や、劇団「こまつ座」のポスター原画などにより、井上ひさしとコラボした仕事を紹介します。
この展覧会は作家存命中の2020年春に新型コロナウイルスの感染拡大を受け中止した企画を改めて開催するものです。
6つの観点、6章仕立てで、やさしく美しく、ユーモアと不思議にあふれた安野光雅ワールドの全貌に迫ります。