木下佳通代(1939 – 1994)は神戸を拠点に活躍した、関西の戦後美術を代表する美術家のひとりです。
木下は京都市立美術大学(現 京都市立芸術大学)で学び、神戸市で美術教師として勤めたのち、1960年代末から「存在とは何か」をテーマに作家活動を本格化しました。
活動初期は写真を用いた作品を制作し、若くして評価された木下は関西、東京、海外と活動場所を広げていきます。
そして81年にドイツのハイデルベルクで個展を開催し、ヨーロッパでも高く評価されるようになります。
海外での個展後の82年にこれまでの作風から離れ、抽象画を描くようになります。
新たな作風で今後の活動も期待されるなか、90年のがん宣告によって木下の活動は変化していきます。
病魔にむしばまれながらも「描きたい、描きたい、時間が欲しい」と制作を続けた木下は94年に55歳の若さで亡くなります。
約30年間の作家活動で制作されたとされる1200点以上の作品は、関西各地の美術館などにコレクションされています。
そのため国内で作品を展示されることはありましたが注目される機会は限られていました。
2015年に海外の展覧会に出品されたことを契機に、現在海外でも再び注目を浴び始めています。
本展は国内の美術館では初めての個展、そして作家 木下佳通代の過去最大規模の展覧会です。
本展では彼女の初期の作品や代表作、そして燃え尽きる命を思わせる絶筆に至る木下の活動を一挙にご紹介します。
(プレスリリースより)