戦後の復興期から高度経済成長期にかけて、沢山の少年少女雑誌が発行されました。その中で子ども達を魅了したのが、21世紀を予見したような未来予想図や空想科学特集です。誰もが自由に宇宙に行ける未来、エアカーが自在に走り、超高層ビルが立ち並ぶ未来都市、何でも言うことを聞いてくれるロボット、宇宙からの侵略者や怪獣と科学兵器を駆使して戦うスーパーヒーロー等々。いつか実現される、という願いをこめて、子ども達は科学の発達に思いを馳せ、空想の産物を夢見ました。
当時多くの優れた画家・漫画家たちは、こうした未来の姿を雑誌の表紙絵や口絵、挿絵、絵物語、漫画など様々な形で表現しています。彼らが想像力を駆使し、時にリアルに、そしてメカニックに描き出した空想科学の世界は、子ども達に未来への夢と希望を与えました。
現在、目覚しい科学技術の向上によって、社会機能が発達し、私たちの生活は物質的には豊かになりました。しかし反面、公害、自然破壊、交通渋滞、人間疎外といった様々な問題を生み出しました。科学技術の発達が、必ずしも人を幸福にするとは限らないことに気づいてしまった時点で、私たちの未来は、薔薇色のユートピアではなくなりました。しかし、人は夢を見る生き物です。そして、未来は私たち自身の努力によって、創造していくものです。
日本がまだ夢見る力に溢れていた時代に、子ども達が憧れ胸躍らせた未来の姿を楽しんでいただくとの共に、私たち自身の未来を夢見る一助となれば幸いです。