臼杵市の吉田純雄教育長が、「《一粒の真珠》的教育をめざして」として、臼杵の教育の方針を語る時に引用する言葉があります。それは、野上弥生子の臼杵小学校開校百年の祝辞の中で、「資源や土地に乏しい臼杵とても運営しだいで、よそでは欲しくとも手に入らぬ九州東海岸の真珠に育てあげられるはづです。」というものです。郷土が育んだ一人ひとりの人材が輝く真珠へと育っていく、そして郷土を豊なものにしていく—。
今回の展覧会では、ふるさとの文化の土壌を築いた、おおいたの偉大な先哲達の墨跡を通して、日頃忘れがちなその偉業に思いを馳せていただくという企画です。
賢巌禅悦など禅僧や白須梧園、福沢諭吉など教育者、箕浦勝人、山本達雄、首藤定、野上弥生子など政治家・財界人・文化人。豊後南画の祖・田能村竹田を中心とする南画家とその交友者(田能村竹田、帆足杏雨、平野五岳、藤米岳、頼山陽、末広雲華など)。広瀬淡窓一族、三浦梅園、帆足万里、脇蘭室など豊後の当代屈指の学者たちとその弟子や咸宜園入門者。総勢40人の臼杵を中心とした先哲たちをご紹介。
【温故知新】。未来を考えるとき、昔に学べともいいます。今回の先哲に書家という人はほとんどいません。書は書いた人が表われるといいます。みなさんは何をお感じになるでしょうか?