パリで生まれ、哀愁漂うパリの街の風景を描いた画家モーリス・ユトリロ(1883-1955)。
フランス国家の勲章やパリ市民賞といった栄誉を得ながらも、彼の人生は幸せとは縁遠いものでした。母親であり画家でもあるシュザンヌ・ヴァラドンは、自分の恋愛を優先してユトリロの育児を放棄したため、寂しいユトリロは幼少期から飲酒を覚え、生涯を通してアルコール依存症を患っていました。
ユトリロの絵が売れ始めてからは、ヴァラドンはユトリロの友人であり画家でもあるアンドレ・ユッテルと結婚。ヴァラドンとユッテルは、ユトリロの絵を売って儲けたお金で贅沢な暮らしを始めます。
ユトリロは51歳のときに、5歳年上の女性であるリュシー・ヴァロールと結婚しますが、家に閉じ込められたまま絵の制作を続けていたと言われています。
本展では、このようなユトリロの数奇な人生にスポットを当て、絵画の裏に潜むドラマを作品とともにご紹介します。今までにユトリロの作品をご覧になったことがある方にも新鮮な発見をしていただけることでしょう。
また、ユトリロの作品だけではなく、母親ヴァラドンやユッテル、母親と親交のあったピエール=オーギュスト・ルノワールまで、ユトリロとゆかりのある画家の作品を合計約75点展示。日本初公開となる妻ヴァロールの油彩画もご覧いただける貴重な機会です。