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信州・小布施の北斎館がリニューアルオープン

■信州に残る、画狂老人の足跡
諸国を旅して名作を描いた浮世絵師の葛飾北斎(1760~1849)、83歳ではじめて訪れた信州・小布施にも多くの作品を残しています。小布施滞在中に描いた肉筆画と祭り屋台を展示する北斎館がリニューアルオープンしました。
江戸時代には北信濃の経済の中心地だった小布施。北斎は小布施の豪商・豪農だった高井鴻山(たかいこうざん:1806~1883)と出会い、後に小布施に招かれました。初めて小布施に行ったのは、実に北斎が83歳の時。以降4度にわたり、この地を訪れています。

かなり年齢が違うふたりですが、「旦那さま」「先生」と呼び合い意気投合。贅沢を禁じる天保の改革の世において、北斎はこの地で伸び伸びと制作に励んだと思われます。

北斎館は1976(昭和51)年の開館。リニューアルは開館40周年を前にした記念事業で、新館を増築して本館を改修し、一体化。展示面積が1.7倍となる新北斎館が誕生しました。


新しくなった北斎館

新しくなった館内は、映像ホールに続いて第一展示室に進む動線です。オープニング記念の展覧会は「新館落成記念・北斎とその弟子たち ― 北斎絵画創作の秘密 ―」、スタジオジブリが企画に協力しました。

まずは「冨嶽三十六景」全46点(冨嶽三十六景は好評だったため後に10点が追加制作され、計46点あります)を「構図」「風俗」「風景」「気象」に分けて展示するなど、版画から紹介。「諸国滝廻り」や「百物語」など、他の人気シリーズもお楽しみいただけます。


第一展示室

第二展示室は肉筆画。今回は門人の作品が紹介されています。

北斎の門人は、葛飾派の双璧である魚屋北渓(ととやほっけい)、蹄斎北馬(ていさいほくば)など、孫弟子を含めて230名以上という大勢力。その中には葛飾応為(かつしかおうい)こと、娘のお栄も含まれています。

あまり確認されていない応為の作品ですが、ここでは2作品を紹介。別に書簡も2点展示されています。

絵の手本を所望する人に宛てた手紙は、(絵師なのであたり前ですが)達者なイラスト入り。「えんじ色」の顔料を作るには、綿に含ませた生臙脂(しょうえんじ:紅色の染料)を揉んで細かく落とし、皿に入れて弱火で温めて…と、まるでレシピのようです。


第二展示室

第三展示室も肉筆画で、ここは北斎の作品が中心。美人画、風景画、花鳥画とジャンルは多彩です。

《富士越龍》は、富士にたちのぼる雲の中を龍が天に向かう作品です。「九十老人卍筆」と添えられた落款から、最晩年の作品のひとつと考えられています。

ちなみに北斎は辰年生まれ。龍を描いた作品が多いのは、そのせいかもしれません。


第三展示室

最後の第四展示室には、鮮やかな祭屋台が2台。「東町祭屋台」と「上町祭屋台」で、それぞれの天井画を北斎が手掛けました。

東町祭屋台の天井は、画面いっぱいに踊るような龍と鳳凰。上町祭屋台の天井は、神奈川沖浪裏を思わせる男浪と女浪。85歳と86歳の時に手掛けた作品ですが、エネルギッシュな描写が印象的です。

上町祭屋台を飾る水滸伝にちなんだ木像も、北斎が監修。こちらは名工・亀原和田四郎に七度も作り直させたといういわくつきです。


第四展示室

展覧会でも紹介されている北斎の娘、お栄(画号は葛飾応為)が主人公の長編アニメーション映画「百日紅 ~ Miss HOKUSAI ~」の公開(5月9日から全国ロードショー)も控え、内覧会では映画を制作したプロダクション I.Gの石川光久さんと、スタジオジブリの鈴木敏夫さん、小布施堂社長の市村次夫さんによるトークショーも開催されました。

長野市の北に隣接する小布施町は、長野県最小の町。68歳の北斎が21畳の天井画を手掛けた「岩松院」、日本画家・中島千波の作品を紹介する「おぶせミュージアム・中島千波館」など、観光施設も充実。七年に一度の善光寺御開帳期間(4月5日~5月31日)に合わせて、長野駅から善光寺と北斎館を結ぶシャトルバスも運行されます。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2015年4月3日 ]

今、浮世絵が面白い! 1 葛飾北斎今、浮世絵が面白い! 1 葛飾北斎

白倉敬彦 (監修)

学研パブリッシング
 


■小布施 北斎館 に関するツイート


 
会場北斎館
開催期間2015年4月4日(土)リニューアルオープン
所在地 長野県上高井郡小布施町大字小布施485
TEL : 026-247-5206
HP : http://hokusai-kan.com/
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