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ニキ・ド・サンファル展

■射撃絵画から彫刻庭園まで
【会期終了】 フランス生まれの女性芸術家、ニキ・ド・サンファル(本名カトリーヌ・マリー=アニエス・ファル・ド・サンファル、1930-2002)。戦後を代表する美術家のひとりで、昨秋にパリのグラン・パレで行われた大規模回顧展には約60万人の観客を集めるなど大きな話題となりました。日本とも関係が深かったニキの初期から晩年までの創作を辿る展覧会が、国立新美術館で開催中です。
パリ郊外で生まれたニキ。若い頃はモデルとしても活動し、「エル」や「ヴォーグ」の表紙も飾っています。

19歳で結婚して二人の子どもに恵まれますが、精神的に不安定になり入院。創作活動は、治療活動の一環として始めたものでした。デュビュッフェ、ポロック、ラウシェンバーグなどの作品から刺激を受けて、徐々に自分の創作スタイルを固めていきます。

1960年には家族から離れたニキ。その名を一躍世界に知らしめたのが1961年に発表された「射撃絵画」です。絵具を入れた缶や袋を石膏で画面に付着させ、それを銃で撃つ事で完成させる射撃絵画。世間に強いインパクトを与えたその制作スタイルは、会場では映像でも見る事ができます。


1章「アンファン・テリブル ─ 反抗するアーティスト」

続いてニキが創作の主題としたのが「女性」。家父長制の強い家庭で育ったニキは、幼い頃に実父から性的虐待を受けた事もあり、「女」である事を常に意識していました。

60年代初頭の作品には、四肢が欠けるなど被虐的な女性像が多く見られますが、その表現は徐々に変化。友人の妊娠を機に制作が始まった「ナナ」シリーズは、ふくよかな肢体がカラフルに彩られ、明るく開放的なイメージに満ちています。

ちなみに「ナナ」という名はニキにとって特別な由来は無く、フランス語で「娘」を意味するスラングとして用いたものです。


2章「女たちという問題」

男女関係も、ニキにとって大きなテーマのひとつ。人生の伴侶となったスイス人彫刻家のジャン・ティンゲリーや、父親に対する愛憎交わる思いをぶつけた作品も並びます。

会場の中ほどには、日本との関係に着目した章も。1980年からニキの作品を収集し始めた日本人女性の増田静江は、自社ビルにニキの作品を紹介するスペースを開設。後にニキ美術館まで開設しました(現在は閉館)。増田は、フランス語で発音しやすい「ヨーコ」と名乗って、ニキ自身とも親しく交流。日本におけるニキ作品の紹介に大きく貢献しています。


3章「あるカップル」 / 4章「ニキとヨーコ ─ 日本との出会い」

感受性が豊かだったニキは、生涯を通じて精神世界にも興味を持っていました。ヒンドゥー教のガネーシャのかたちをしたランプや、中央アメリカのトーテム像のシリーズなど、神々を象徴する作品も数多く手掛けています。

ヨーコの招きで98年に初来日した際には、京都の寺院で仏像を見学。帰国後に、色ガラスを用いた高さ3メートルを超える巨大な《ブッダ》を制作しました。この作品は、会場での撮影も可能です。


5章「精神世界へ」

ニキの最も重要な作品といえるのが、巨大な彫刻庭園「タロット・ガーデン」。アントニ・ガウディによるグエル公園からインスピレーションを受け、1979年から彫刻庭園の建設に乗り出します。

香水の製作や家具や花瓶のシリーズを作って資金を調達し、庭園にはタロット占いに用いられる22枚のカードを表現した彫刻群を設置。一番大きな彫刻《女帝》は内部に寝室やキッチン・アトリエも設けられ、ニキはその内部で生活しました。

「タロット・ガーデン」はイタリア・トスカーナ地方にありますが、どの旅行ガイドにも掲載されていません。4月から10月の間で一日に数時間開園されるのみと、ニキからの指示で万全の保全体制がとられています。


6章「タロット・ガーデン」

会期中の10月29日(木)は、ニキの誕生日。会場の国立新美術館ではこの日を含む一週間(10月24日~10月30日)は「ニキ・ウィーク」と題し、さまざまなイベントが開催される予定です。詳しくは公式サイトで順次発表されます。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2015年9月17日 ]


料金一般当日:1,600円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

 
会場国立新美術館
開催期間2015年9月18日(金)~12月14日(月)
所在地 東京都港区六本木7-22-2
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://www.niki2015.jp/
展覧会詳細へ ニキ・ド・サンファル展 詳細情報
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