インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  生誕150年 横山大観展

生誕150年 横山大観展

■明治から戦後まで、代表作が一堂に
【会期終了】 日本画家として抜群の知名度を誇る横山大観(1868-1958)。日本美術院を舞台に明治から戦後まで長く活躍し、名実ともに日本美術界の頂点に上り詰めました。今年は生誕150年、記念の展覧会が東京国立近代美術館からスタートしました。
近代の日本美術を象徴する存在といえる、横山大観。明治元年に生まれ、昭和33年に死去と、その生涯が近代日本の歩みとピッタリ重なるのも、奇妙な縁を感じさせます。

会場は時代順で、明治時代の作品から、年齢的には44歳までですが、大観の長い画業(90歳没)としては、初期の部類に入ります。

大観は東京美術学校の第一期生。校長の岡倉覚三(天心)に目をかけられ、岡倉とともに日本美術院の創立に参画。新しい日本画を模索しますが、筆線を排除した「朦朧体」が酷評されるなど、苦闘の時代が続きます。

生来、好奇心が豊かだった大観。眼にしたものをすぐ絵の主題にするタイプで、米国で見たナイアガラの滝や、地球に接近したハレー彗星まで、日本画にしています。

本展の準備中に、105年ぶりに見つかったのが《白衣観音》です。デッサンの不正確さは残念ですが、表情の描写は印象的。若き日の情熱が伝わってきます。


第1展示室(明治)

大正時代になると、岡倉天心が死去(大正2年)。一周忌にあわせて再興された日本美術院では中核として活動する一方、弧を描く線から内側をぼかす「片ぼかし」など、技術的な挑戦も積極的に続けます。

昭和5年にローマで開催された日本美術展で作家総代を務めるなど、この時期には画壇の頂点に。国を代表する画家として自らを律し、絵筆(彩管)をもって国に報いる「彩管報国」の精神のもと、作品の売上を軍に献納しています。

大観は皇室とも関係が深い画家でした。数々の作品を天皇に献上するほか、宮家からの制作依頼も数多く受けています。尊王で知られる水戸藩で生まれた事が、皇室に対する厚い畏敬の念に繋がっているのかもしれません。


第1展示室(大正・昭和)

《生々流転》(重要文化財)は、大観のスケールの大きさを示す作品。全長40メートル超と、日本一長い画巻である事は有名ですが、実際に見ると縦方向も大きい(55.3センチ)ことが、印象に残ります。

一滴の水が大河になり、海に注がれ、天に戻るさまを水墨で描いた作品。壮大なドラマをひとつの画面にまとめ、発表時から絶賛されました。本展(東京会場)では、巻き替え無しで広げて展示。小下絵もあわせて紹介されているので、構想段階との変遷もお楽しみいただけます。

東近美の企画展としては珍しく、会場は2Fのギャラリー4にも続きます。終盤は戦後の作品。戦前から得意とした富士山を描き続けたため「大観=富士の画家」という印象が強いですが、さにあらず。情緒あふれる作品など、意外な一面も見えてきます。


第2展示室(大正 《生々流転》)、第3展示室(昭和)

近代日本画の中心人物なので「今さら大観?」という方にこそ、改めて見ていただきたい展覧会です。生誕記念の大回顧展としては、2008年の「没後50年 横山大観 ― 新たなる伝説へ」(国立新美術館)以来、10年ぶり。東京国立近代美術館での単独展となると、没した翌年に東京国立博物館と共同で開催された「横山大観遺作展」(1959年)以来、59年ぶり2回目となります。

もうひとつの見どころである《夜桜》《紅葉》の同時展示は、後期展(5/8~5/27)です。東京展の後に、京都国立近代美術館に巡回します(6/8~7/22)

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年4月12日 ]

横山大観ART BOX横山大観ART BOX

佐藤 志乃(著)

講談社
¥ 2,376

料金一般当日:1,500円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

■横山大観 に関するツイート


 
会場東京国立近代美術館
開催期間2018年4月13日(金)~5月27日(日)
所在地 東京都千代田区北の丸公園3-1
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://taikan2018.exhn.jp
展覧会詳細へ 生誕150年 横山大観展 詳細情報
取材レポート
サントリー美術館「琉球 美の宝庫」
琉球 美の宝庫
東京都美術館「没後50年 藤田嗣治展」
藤田嗣治
三菱一号館美術館「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界」
「ショーメ」展
国立西洋美術館「ミケランジェロと理想の身体」
ミケランジェロ
国立新美術館「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」
ルーヴル 肖像芸術
東京国立博物館「特別展「縄文―1万年の美の鼓動」」
「縄文」展
神奈川県立歴史博物館「明治150年記念 真明解・明治美術」
真明解・明治美術
静嘉堂文庫美術館「─ 明治150年記念 ─ 明治からの贈り物」
明治からの贈り物
文豪・泉鏡花×球体関節人形~迷宮、神隠し、魔界の女~
泉鏡花×人形
平塚市美術館「金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋」
深堀隆介
太田記念美術館「落合芳幾」
落合芳幾
国立歴史民俗博物館「企画展示「ニッポンおみやげ博物誌」」
おみやげ博物誌
没後50年 河井寬次郎展 ―過去が咲いてゐる今、未来の蕾で一杯な今―
河井寬次郎展
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館「巨匠たちのクレパス画展 ―日本近代から現代まで―」
クレパス画展
出光美術館「「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ」
都市の華やぎ
千葉市美術館「木版画の神様 平塚運一展」
平塚運一
「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」が開館
森ビル×チームラボ
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」がリニューアルオープン
岐阜かかみがはら
航空宇宙博物館
「川島小鳥写真展「つきのひかり あいのきざし」」
[エリアレポート]
「川島小鳥写真展」
「東京都美術館「没後50年 藤田嗣治展」」
[エリアレポート]
藤田嗣治
大阪歴史博物館 「明治維新150年NHK大河ドラマ特別展「西郷どん」」
[エリアレポート]
西郷どん
「ポーラ美術館「ルドン ひらかれた夢 ―幻想の世紀末から現代へ」」
[エリアレポート]
ルドンひらかれた夢
「ルーヴル美術館展 肖像芸術-人は人をどう表現してきたか」
[エリアレポート]
ルーヴル 肖像芸術
「ヴァンジ彫刻庭園美術館「須田悦弘 ミテクレマチス」」
[エリアレポート]
須田悦弘
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2018年の展覧会予定(東京近郊・大阪近郊) 博物館・美術館の情報
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。 ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか 生誕110年 田中一村展 フェルメール展
縄文―1万年の美の鼓動 「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ 特別展 人形師 辻村寿三郎 プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「犬」
グランプリは 大和文華館 でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018 スタート!!
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2018 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社