インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  ゴッホ展

ゴッホ展

■ゴッホをつくった、ふたつの出会い
【会期終了】 ポスト印象派を代表するオランダの画家、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)。世界中を魅了する独自の色彩と表現は、ふたつの大きな出会いから生まれました。世界各国から集められたファン・ゴッホの作品と、交流した画家たちの作品を紹介する展覧会が、上野の森美術館で開催中です。
オランダ南部、ベルギー国境近くのフロート・ズンデルトで生まれたファン・ゴッホ。父は牧師です。伯父が経営する画廊で6年半働き、ルーヴル美術館やナショナル・ギャラリーなど多くの美術館に親しみました。

1880年、27歳で画家になる事を決意した頃は、先人の作品を熱心に模写。特にジャン=フランソワ・ミレーは生涯にわたって敬愛し、ミレーに倣って農民画家を目指しました。

この頃、オランダ南西方の都市・ハーグを拠点に活動していた画家のグループが、ハーグ派です。田園や海岸の豊かな自然と、庶民の暮らしを叙情豊かに描きました。

ハーグ派の作品に共鳴したファン・ゴッホは、1881年にハーグ派の指導的な画家であるアントン・マウフェを訪ね、指導を受けます。同年末にはハーグに移住、キャリア初期の重要な時期を、この地で過ごしました。

ハーグ派はヨゼフ・イスラエルスに始まり、マリス三兄弟、マウフェらが活躍しており、ファン・ゴッホは若い世代のアントン・ファン・ラッパルトと親しく交流しました。

ところが、1885年にファン・ゴッホが手掛けた自信作《ジャガイモを食べる人々》(リトグラフのみ展示。油彩画は未出展)を、ファン・ラッパルトは技術面から酷評。両者は手紙で激しい応酬となり、後にハーグ派とは完全に別離してしまいます。



ファン・ゴッホを支えたひとつ目の芸術家グループがハーグ派なら、ふたつ目は印象派です。この時期、印象派はパリを席巻しており、弟で画商のテオは、その魅力をファン・ゴッホに強く勧めましたが、当初はあまり興味を示しませんでした。

ところが1886年にパリに赴くと、目にした印象派の作品に衝撃を受ける事に。自身の作品もそれまでの暗い色調から一変し、いくつもの原色を用いた明るい画風に変化しました。

印象派の作品では、クロード・モネを高く評価。温厚な性格の派の長老で、誰からも慕われたカミーユ・ピサロとは個人的にも親しくなりましたが、ファン・ゴッホが印象派に入ることはありませんでした。

ファン・ゴッホに影響を与えた画家としては、印象派に先立つアドルフ・モンティセリも挙げられます。激しい筆使いと厚塗り絵具で独自の道を進んだモンティセリは、ファン・ゴッホに強いインスピレーションを与えました。

1888年には南仏のアルルに移住。ファン・ゴッホを代表する作品が、この地で数多く描かれました。経済的に困窮していたゴーギャンを呼び寄せて共同生活を送るも、2カ月で破綻。1889年にはサン=レミの精神療養院に入院しました。

ファン・ゴッホは療養院に入ってからも、それまでの経験を活かしながら制作を続けます。展覧会メインの《糸杉》は、この時期の作品。糸杉は街路樹などで良く見られる木ですが、過去の西洋絵画ではあまり描かれていません。ファン・ゴッホはこの作品を含めて、糸杉を数点を描いています。

会場では《糸杉》と近い時期に描かれた《夕暮れの松の木》《薔薇》にも注目です。ともに制作時からかなり退色しているので、鮮やかな色彩のコントラストを想像しながら、鑑賞してみてください。

東京展の後に、兵庫県立美術館に巡回します(2020年1月25日(土)~3月29日(日))。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年10月10日 ]

ゴッホ展完全ガイドブック (AERAムック) ゴッホ展完全ガイドブック (AERAムック)

朝日新聞出版 (編集)

朝日新聞出版
¥ 1,540

 
会場上野の森美術館
開催期間2019年10月11日(金)~2020年1月13日(月・祝)
所在地 東京都台東区上野公園1-2
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://go-go-gogh.jp/
展覧会詳細へ ゴッホ展 詳細情報
取材レポート
東京国立博物館「出雲と大和」'
出雲と大和
東京都美術館「ハマスホイとデンマーク絵画」'
ハマスホイ
21_21
デザイナー達の原画
根津美術館「〈対〉で見る絵画」'
〈対〉で見る絵画
府中市美術館「青木野枝 霧と鉄と山と」'
青木野枝
弥生美術館「もうひとつの歌川派?! 国芳・芳年・年英・英朋・朋世」'
もうひとつの歌川派
東京都現代美術館「ミナ
皆川明
明治神宮ミュージアム「天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展」'
明治神宮M. 開館
渋谷区立松濤美術館「パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華 サラ・ベルナールの世界展」'
サラベルナール
国立西洋美術館「ハプスブルク展
ハプスブルク展
三井記念美術館「国宝
明治天皇への献茶
東京ステーションギャラリー「坂田一男
坂田一男
出光美術館
やきもの入門
東京国立近代美術館「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」'
窓展
岡田美術館「DOKI土器!土偶に青銅器展
DOKI土器!
国立新美術館「ブダペスト
ブダペスト
東京国立博物館
人、神、自然
エリアレポート Bunkamura 「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」
[エリアレポート]
ソール・ライター
エリアレポート 京都国立近代美術館「記憶と空間の造形 イタリア現代陶芸の巨匠 ニーノ・カルーソ」
[エリアレポート]
ニーノ・カルーソ
エリアレポート 名古屋市美術館「没後90年記念 岸田劉生展」
[エリアレポート]
岸田劉生
エリアレポート 愛知県美術館「コートールド美術館展 魅惑の印象派」
[エリアレポート]
コートールド
エリアレポート 大阪市立東洋陶磁美術館「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション」
[エリアレポート]
竹工芸名品展
エリアレポート 中之島香雪美術館 「上方界隈、絵師済々 Ⅰ」
[エリアレポート]
上方界隈、絵師済々
エリアレポート パナソニック汐留美術館 「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」
[エリアレポート]
暮らしの夢
エリアレポート 岐阜県現代陶芸美術館「小村雪岱スタイル 江戸の粋から東京モダンヘ」
[エリアレポート]
小村雪岱
エリアレポート 三鷹市美術ギャラリー「壁に世界をみる ― 吉田穂高展」
[エリアレポート]
吉田穂高
エリアレポート 豊田市美術館「岡﨑乾二郎 ー 視覚のカイソウ」
[エリアレポート]
岡﨑乾二郎
エリアレポート 国立西洋美術館「ハプスブルク展 ー 600年にわたる帝国コレクションの歴史」
[エリアレポート]
ハプスブルク
エリアレポート 半蔵門ミュージアム 「復元された古代の音」
[エリアレポート]
古代の音
エリアレポート 小泉八雲記念館「ハーンを慕った二人のアメリカ人」
[エリアレポート]
小泉八雲
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ゴッホ展 ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて 日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」
天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展 利休のかたち 継承されるデザインと心 デザインあ展 in SHIGA 千手千足観音立像 高月町西野 正妙寺
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「鼠」
グランプリは《大根喰う(大黒)》でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2020 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社