
「平成の大修理」が行われてきた国宝《檜図屏風》が、2015年2月16日(月)、報道陣に公開された。
《檜図屏風》は、室町から安土桃山時代にかけて活躍し、秀吉に重用された狩野永徳筆と考えられる屏風。生命力に溢れた巨木の表現は、桃山武将の豪放な美意識を現代に伝える傑作として知られているが、経年に伴う亀裂や糊浮き、彩色のスレ、剥離など劣化が目立っていた。
2012(平成24)年10月から18カ月間にわたって行われた今回の修理は、バンクオブアメリカ・メリルリンチ文化財保護プロジェクトの助成を受けて実施されたもの。充分な厚さの下張りを施し、亀裂や浮きを補修、汚れを除去した。
また、8曲1隻だった屏風を4曲1双に改装。図柄の繋がりの不自然さが軽減され、もとは八条宮邸の襖4面だったと考えられている作品本来の表現に近づいた。
解体修理では、過去の修理で補修紙として用いられた五七桐文の文様が入った唐紙も発見。同じ文様は八条宮家の別邸でもあった桂離宮古書院の襖に見られる事から、八条宮家との繋がりが具体的に示された事となる。
国宝《檜図屏風》は2015年2月17日(火)~3月15日(日)、東京国立博物館 本館 2室で一般に公開される。入館料(総合文化展観覧料)は一般620円、大学生410円。
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