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    レポート
    大英博物館 北斎 ― 国内の肉筆画の名品とともに ―
    サントリー美術館 | 東京都
    世界で最も著名な日本の芸術家、葛飾北斎の名品が大英博物館から大挙来日
    「春朗」時代の貴重な初期作品や、90歳で亡くなるまでの30年間の作品など
    卓越した画力と大胆な発想力が遺憾なく発揮されている肉筆画の名品も紹介

    《冨嶽三十六景》や『北斎漫画』などで知られる、江戸時代後期を代表する浮世絵師、葛飾北斎。世界で最も著名な日本の芸術家の一人です。

    北斎の作品は世界中のミュージアムに収蔵されていますが、大英博物館もそのひとつ。そのコレクションの質は、世界でもトップクラスといわれます。

    大英博物館のコレクションを中心に、国内の肉筆画の名品もあわせて紹介し、北斎の足跡を追う展覧会が、サントリー美術館で開催中です。



    サントリー美術館 会場入口


    北斎は安永7年(1778)頃、勝川春章に入門し「春朗」としてデビュー。後に4年ほど「宗理」と名乗ったのち、寛政10年(1798)、39歳で「北斎」になりました。

    さらに50代では「戴斗」、数え61歳で「為一」と、何度も号を変えています。

    《為朝図》は北斎時代のもので、かなり手の込んだ作品です。



    第1章「画壇への登場から還暦」 葛飾北斎《為朝図》文化8年(1811)大英博物館


    江戸時代には富士信仰が広まっていましたが、北斎もまた、崇高な山として富士を敬愛していました。

    《冨嶽三十六景》シリーズは、輸入された藍色の色料、プルシアンブルーを使用し、それまでの画業の集大成といえる作品です。



    第2章「富士と大波」 葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》天保元~4年(1830〜33)頃 大英博物館


    人間や自然をつぶさに観察して技を磨いた北斎。ただ北斎は、単なる現実の描写に留まらず、それらのモチーフを独自の作品に昇華させていきました。

    《諸國瀧廻り》シリーズには、北斎がよく知っていた場所だけでなく、想像で描かれた場所も含まれています。



    第3章「目に見える世界」 葛飾北斎《諸國瀧廻り 和州吉野義経馬洗滝》天保4年(1833)頃 大英博物館


    信仰や幻想などの目に見えないテーマでも、北斎は想像力を駆使して現実感がある作品を描いていきました。

    《百人一首乳母がゑとき 柿の本人麿》は、飛鳥時代の歌人・柿本人麻呂がテーマ。歌は侘びしさを詠んだものですが、北斎はその歌意を漁師たちの姿で表しています。



    第4章「想像の世界」 葛飾北斎《百人一首乳母がゑとき 柿の本人麿》天保6~7年(1835~36)頃 大英博物館


    北斎が60代後半から70歳の頃から一緒に住み、共同制作を行っていたのが、娘のお栄(画号「応為」)です。

    詳細は分かっていませんが、「北斎」の作とされている作品の多くに、お栄も助力していたと考えられています。



    第5章「北斎の周辺」 葛飾応為『女重宝記』弘化4年(1847)大英博物館


    最終章には肉筆画が紹介されています。北斎の肉筆画制作のピークは、40代から50代半ばと、75歳頃から没年までの2期で、さまざまな作品を描きました。

    最晩年は制作の中心が肉筆画となり、弘化4年(1847)に88歳になると、さらに命を永らえて絵を極めたいと思ったのか、「百」と彫った大きな印を作り、以後はその印章を用いています。

    北斎が亡くなったのは、その2年後でした。



    第6章「神の領域―肉筆画の名品―」 葛飾北斎《白拍子図》文政3年(1820)頃 北斎館[展示期間:4/16~5/16]


    展覧会では、外科医ウィリアム・アンダーソン、小説家アーサー・モリソンら、大英博物館の北斎コレクションを築いたコレクターにも焦点を当てています。

    イギリスにおける北斎愛好の広まりの歴史も、あわせてお楽しみください。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2022年4月15日 ]

    ※会期中展示替えあり

    サントリー美術館「大英博物館 北斎 ― 国内の肉筆画の名品とともに ―」会場風景
    葛飾北斎《冨嶽三十六景 山下白雨》天保元~4年(1830〜33)頃 大英博物館
    葛飾北斎《小野小町》文化年間中期(1809~13)頃 大英博物館
    葛飾北斎《漁師図》文政年間(1818~30)頃 大英博物館
    葛飾北斎《景色を眺める旅人》天保14年(1843)大英博物館
    葛飾北斎《鯉亀図》文化10年(1813)埼玉県立歴史と民俗の博物館[展示期間:4/16~5/16]
    葛飾北斎《肉筆画帖》天保5~7年(1834~36)頃 北斎館[前後期で場面替]
    葛飾北斎《絵手本帖》天保14年(1843)太田記念美術館[前後期で場面替]
    会場
    サントリー美術館
    会期
    2022年4月16日(土)〜6月12日(日)
    開催中[あと24日]
    開館時間
    10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)

    ※4月28日(木)、5月2日(月)~4日(水・祝)は20時まで開館
    ※いずれも入館は閉館の30分前まで
    ※開館時間は変更の場合があります
    休館日
    火曜日 ※5月3日、6月7日は開館
    住所
    〒107-8643 東京都港区赤坂9-7-4  東京ミッドタウン ガレリア3F
    電話 03-3479-8600
    公式サイト https://www.suntory.co.jp/sma/
    料金
    一般 当日 ¥1,700
    大学・高校生 当日 ¥1,200

    ※中学生以下無料
    ※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介護の方1名様のみ無料
    展覧会詳細 大英博物館 北斎 ― 国内の肉筆画の名品とともに ― 詳細情報

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