建築家の坂茂さんが設計した大分県立美術館で、坂茂建築展が開催中です。

大分県立美術館
2014年に「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞を受賞した坂茂さん。35年に渡る設計活動を、写真や図面だけでなく、多くのモックアップ(模型)で紹介しています。

会場入口の紙管は「紙の家」のモックアップ。

へスリー・ナインブリッジズ・ゴルフクラブ

スウォッチ・オメガ/スウォッチ本社
実は筆者は、大の坂茂さんファン。いくつか実際の建築を見に行った事もあり、自分で見たものと比較できるという点でも、とても楽しめました。

静岡県富士山世界遺産センター

以前訪れた、静岡県富士山世界遺産センター
大分にも坂茂さんの建築はいくつかあり、展覧会の前に足を運んできました。

YUFUiNFO

由布院駅に隣接する、YUFUiNFO

クアパーク長湯/クアハウス

クアパーク長湯には、前日に宿泊してきました
展覧会は展示室だけでなく無料の観覧ゾーンにも広がっています。あわせて約2,000平米のスペースを使い、大分県立美術館が開館して以来、最大規模の展覧会です。

テーブルや椅子なども
坂茂さんの建築で特筆されるのが、災害支援の活動。阪神淡路大震災(1995年)の「紙のログハウス」、中国・四川大地震(2008年)の「成都市華林小学校紙管仮設校舎」、東日本大震災(2011年)の「避難所用間仕切りシステム」など、まさに世界中で活動しています。
支援活動には時間や予算など多くの困難が伴いますが、坂茂さんはひとつずつ問題を解決して、建築的な解決方法を導き出します。経緯が紹介されているパネルを読むと、涙が出てきそうになります。

中国四川大地震 成都市華林小学校 紙管仮設校舎
この展覧会が大分でしか行われないのは、罪深いと感じるほどです。会場は撮影も自由、県外移動の自粛が緩和されて何よりでした。

展覧会会場

美術館3階の木組みの天井は竹工芸をイメージ。美術館そのものが見どころいっぱいでした。
[ 取材・撮影・文:S.E. / 2020年6月22日 ]
エリアレポーターのご紹介 | S.E. 休日は時間ができると、ミュージアムをまわるのがいつのまにか習慣になりました。都会でも地方でも、気の向くままに足を伸ばしたいと思っています。
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